第29代航空幕僚長田母神俊雄氏の論文について5
『日本は侵略国家であったのか』という問いかけは非常に重要である。
今回、元幕僚長の発言を単なる「偏った人間の妄想」ととらえるべきではない。
しかし、繰り返しになるが、日本が大陸への侵略をやろうとしたという事実は否定すべきではない。
石原莞爾の暴走の以前に、日本は対華21か条要求(1915年)において、中国の権益を要求した。
これは、「ドイツに代わり、列強の一員として中国侵略を強化・本格化しようというものであ」り、明らかに侵略である。
さらに、日本は、ロシア10月革命の際に、極東に干渉軍を派遣して執拗に領土獲得に固執した。
「当時はほかの国も同じことをしていたのだから」というのは、むなしい言い訳である。
これを侵略ではない理由とするならば、それはまるで「みんな万引きをしているのだから、私の万引きは許される。私を犯罪者にすべきではない」と言っているのと同じである。
元幕僚長の論文にはこういった欠陥がある。
この欠陥は、認めるべきだ。
この点で日本の罪を認めなければ、まともな人間の賛同を得られるわけがない。
潔く罪を認めないうちは、元幕僚長は「変人」「偏った思想の持ち主」と受け取られても文句は言えないだろう。
ただし、私はこの罪を認めた上で、「しかし、それではどうして日本政府はこのような侵略に走ったのだろうか」という疑問を呈する。
私は、ラビ・トケイヤー氏の「日露戦争以降、ユダヤ人ヤコブ・シフから金を借りた日本はユダヤ人の影響を強く受けるようになった」との発言に注目したい。
明らかに、日露戦争の勝利は日本人を狂わせた。
それは、戦勝国につきまとう傲慢である。
傲慢になった人間は、悪魔に容易にだまされる。
アメリカも、太平洋戦争の勝利によって悪魔化した。次々と戦争を仕掛けて、泥沼に落ちた。
朝鮮戦争、ベトナム、湾岸、イラクと、傲慢は傲慢を生んで、怪物のような姿に変わってきた。
日本も日露戦争後、このような傲慢病に陥ったのであり、それが、軍部の独走を許し、中国や朝鮮への干渉、現地の人々への差別意識につながったと考えることができる。
しかし、果たして問題はそれだけだろうか。
私は、ユダヤ人ヤコブ・シフの属するイルミナティの意図があったのではないかと考える。
イルミナティが傲慢な日本を利用し、大陸や朝鮮への侵略にいざない、そして、日米開戦に誘導し、ついに、日本を世界政府の傘下におさめるという計画があったのではないか。
単なる日本の領土欲、侵略欲だけで、日露戦争後の破局への道ができたと考えるべきだろうか。
私は違うと思う。
なぜならば、この歴史的コースの中にあまりにも多くの共産主義者が登場するからである。
だから、私は、日本の侵略だけに焦点を当てて、日本原罪論に陥るべきではないと考えている。
2008年11月12日
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