世界統一政府は世界平和ではなくむしろ無数の殺戮と粛清を生むだろう
「世界平和の実現には、世界統一政府を作って武器を一元管理する必要がある。」
こういうことを言う知識人は多い。ホリエモンが選挙に出たときに、こんなことを言っていた。
(天皇制反対とも言っていたなあ。「世界統一政府」「天皇制廃止」どちらもロックフェラーの目標である。今の日本で選挙に勝つにはロックフェラーの支持を取り付けなければならないのだろうか?小沢一郎は日本の自衛隊を国連軍に吸収するというようなことを言っていたと記憶するが・・・。)
世界統一政府なんてできても、すぐに破綻する。
なぜだろうか?
人間は、全知ではないからだ。
もし全知ならば、効率よく管理できるだろうが、人間は知らないことが多すぎる。結局、こまごました各人の必要について完全に理解することはできない。
神は全知なので、我々のすべての必要をご存知である。しかし、人間はそうではない。
だから人間の組織は、できるだけ分散型にするのがよい。
ソ連が失敗したのは、一部のエリートに情報を集中させ、そこから指令を出すというシステムにしたからである。多くの必要を裁ききれずに、ついに、闇市場が形成された。
世界統一政府ができたとしても、闇市場を作る以外にはない。そして、あまりの非効率に各国の人々の不満は爆発し、各地で暴動が発生する。世界統一政府から指令を受けた各国の軍隊が鎮圧に当たるが、世界中で発生するこのような暴動に対応することは不可能である。
世界統一政府などを主張する愚か者は、まず現代史を学べ。そして、官僚主義の結末を見よ。
神はイスラエルの政治体制を、分散型にされた。各地に裁きつかさがいて、下で問題が発生した場合に、その小さな地域の問題を解決する。それでも解決できなければ、上部地域に訴える。それでもだめなら、イスラエルの中央の裁きつかさに訴える。
このように神が命令された政治体制とはボトムアップ方式であった。しかし、この方式の体制には一つ大きな問題があった。
それは、各人が自分や家族をきちんと統治できないと、際限のない混乱が生じるということである。つまり、自己管理ができなければ、国全体がアナーキーになるのである。
士師記を見ると、「各人が自分の目の欲するところを行い、国が乱れた」とある。
そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた。(17・16、21・25)
彼らが、「私たちをさばく王を与えてください。」と言ったとき、そのことばはサムエルの気に入らなかった。そこでサムエルは主に祈った。主はサムエルに仰せられた。「この民があなたに言うとおりに、民の声を聞き入れよ。それはあなたを退けたのではなく、彼らを治めているこのわたしを退けたのであるから。(1サムエル8・6-7)
2006年5月30日
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