予算の立て方から変えなければならない
(1)
ガソリンの暫定税率をどうするかでもめている。
自民は、「ガソリン税がなくなれば道路の財源はどうするのだ?」と言っているが、つい先ごろまで「もはや道路に回さなくてもよくなったから、一般財源に入れてしまおう」と言っていたではないか!
道路を作るのに必要だとか、何をするのに必要だなんて言葉を信じると、無限にいろんな税金をとられ、そして、それが積み重なって、我々の奴隷化は進んでいく。
市場原理に支配されていない人々が金を持つと、どういうことになるか?
「いったん得たお金は手放さない」ということだ。
だから、税金の名目を増やすということは、それが減ることはないということ。
つまり、どんどん積み重なっていく。
市場原理に支配されていれば、市場のパイが小さくなれば、自ずと支出を減らして、「生き残る」ために最善の努力をせざるを得ない。
しかし、官僚や政治家など、市場原理に支配されない人々、税金という市場原理に左右されないお金は、理念が先行し、現実が追いつかなくてもしぶとく生き残る。
だから、国は金を扱うべきではないのだ!国は事業をしてはならないのだ!
事業をする国は、必ず滅亡する!
道路事業をする国は、道路によって滅亡する!
政治家や官僚、国民は、どうしてこんな単純なことがわからないのか???
(2)
一家の一年の予算を組むときに、欲望を中心にして予算を組む家がありますか?
家長が「おまえたち買いたいものを言いなさい」と尋ね、「私はパソコン」「僕はバイク」「私はヴィトンのバッグ」・・・と希望を出し、金額を合計して予算を組むだろうか?
「よし、みんなの額を合計すると1000万円だ!足りない分はサラ金から借りよう!」
明らかにイッチャッテイル家庭である。
早晩一家離散だ。
日本だけではなく世界の国の財政がおかしくなっているのは、政策うんぬんする前の問題なのだ。つまり、予算の組み方そのものがおかしいのだ。
「理念」とか「欲望」を前提として予算を組む方法を続けている限り、どのような国家でも破綻する。
(3)
だから、私は言う。聖書が述べるように、国が国民から取ってよろしいお金を10%未満に限定せよ。
そして、予算をこの枠の中で決定せよ。
理念や欲望を前提とするのではなく、まず持っているお金を前提とせよ。
具体的には、誰か議員を起こして、「税率を10%未満に限り、それ以上の予算を禁止する」という法律を作らせることだ。
(3)
NHKの経営がおかしいと思うのは、この国の予算の立て方と似ているからだ。
2ヶ月で数千円を全世帯からもれなく徴収する、しかも、これは法律で決められている。つまり、NHKとは、市場原理の範囲外にある組織、擬似政府組織なのだ。
民放ならば、面白くなければスポンサーがつかず、番組は廃止される。人々が欲しがっていないサービスや人間は淘汰される。
市場原理に従う民放の原則は「まず使えるお金ありき」である。だから、どんなにやりたいことがあっても、予算が組めなければ我慢しなければならない。
しかし、擬似政府組織であるNHKは、理念や欲望が先に来るから、誰も見てないような番組や誰も聞いていないような番組を作っても許される。
どんどん必要が増えていくが、パイが限られているわけではないから(つまり、受信料を値上げすればよいから)、視聴率に関係なくサービスが増えていく。
高額な受信料になってもNHKは「こういう情報は必要なのです。ご理解ください」と言いつづける。
こういう予算の立て方を続けていくと、どこまで行っても「まだ足りない」と言いつづけるのだ。
(4)
政治家や役人やNHKの「必要なのです」という言葉に騙されてはならない。
我々市場原理の中で生きている民間人は、「必要だから、お金ください」といえない。
だから、政府やNHKの膨張を食い止めるのは、ただ次の言葉しかないのだ。
「決められた範囲内でやってください。それ以上は絶対に払えません。もし値上げするなら、サービスをお断りします」。
我々は、そろそろ「ノー」と言うべきではないか???
2008年1月18日
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