本当に祖国を愛するなら2


日本の、本当に祖国を愛する人々に力がないのは、靖国にこだわるからだ。

靖国神社はたしかに戦争の英霊をまつっているから日本の国の象徴かもしれない。

しかし、ちょっと考えてみてほしい。国家神道は何のために存在したか?

明治以降の国体である天皇制の正当化のためだった。

為政者は民衆操作のために宗教を利用する。

「お国のために死ねば靖国神社で英霊として祭ってあげるから心配するな。」となだめすかして、無垢の若者を戦場に送り込んだ。

戦後、国民はああいった靖国神社のモロク崇拝的生贄のシステムに気づいた。

だから、愛国を靖国と結びつけることは得策ではない。

もっと健全な道があるはずだ。

今必要なのは、安易に靖国神社に象徴される日本人の情緒的解決法に頼ることではなく、冷徹なまでの理性的、論理的対応だ。

こちらがどんなに心情に訴えても、世界はそんなもの屁とも思わない。

世界の諸国は、昔から「ヘゲモニーの拡大」という目的のために動いており、その獣の欲望に賢く対処しない限り、食い物にされるだけだ。

日本の愛国者は、まず国の論理から解放されるべきだ。

国中心の論理、国民を利用し、搾取しようとする国家主義者の論理を見抜いて、個人の権利を守るという視点から冷静に世界を見ない限り、日本の大衆を味方につけることは不可能だ。

 

 

2008年3月30日

 

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