今憲法をいじるのはかなり危険である
安部さんの時代に憲法改正は無理だろう。
憲法とは国のグランドデザインであり、一度変われば相当長い間影響力を持つ。単に法律の問題ではなく、思想・宗教に関する問題である。
彼に思想・宗教の問題を扱う教養、知識、洞察力があると思うか?
彼に国民を納得させられるだけの力量があると思うか?
はっきり言うと、今の政治家の誰一人としてそれだけの問題を扱う器量の人間はいない。
いや、これまで日本の歴史の中でそれだけの問題を扱うことのできる政治家はいなかった。
なぜだろう?
日本人政治家の中にクリスチャンがいなかったからだ。
キリスト教教義にまで精通したクリスチャンがいなかった。
日本は敗戦によって、押し付け憲法のおかげで、世界レベルの思想にまで「引き上げられた」のである。
世界レベルの思想とは、ここ300年の間に近代におけるキリスト教とヒューマニズムの対立の中で練り上げられた、欧米において常識化した「共通認識」である。
日本人の政治家の中で、この対立経過をきちんと抑えている人が何人いるだろうか。
フランス革命と共産主義革命の教訓について「正統的に」真剣に考えている政治家が何人いるだろうか。
今の日本人にこれだけの教養と知的背景を持っている政治家は皆無である以上、憲法を議論するのは危険である。
憲法を議論するには、憲法を成立させているキリスト教思想と世俗思想のどちらもしっかりと理解しなければならないだろう。
かなり質の高いクリスチャン政治家が指導的地位につくまでは、憲法をいじるのは危険である。
2006年9月12日
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