再建主義の宗教右派指導者への影響7


キリスト教右派(「宗教右派」とほとんど同義)は、環境保護運動に反対である。

キリスト教右派の影響によって、環境保護運動反対が大きなトレンドになりつつある。

Glenn Scherer(http://www.grist.org/news/maindish/2004/10/27/scherer-christian/
)によると、

「2003年に、45人の上院議員と186人の下院議員は、アメリカの3大キリスト教右派組織(クリスチャン同盟、イーグル・フォーラム、家族資源会議)から肯定的な評価(80点から100点)を得た。それに対して、同じ議員たちが、昨年、環境保護投票者同盟からもらったのは落第点(平均10点未満)だった。

http://www.grist.org/news/maindish/2004/10/27/senate_ratings/
http://www.grist.org/news/maindish/2004/10/27/house_ratings/
   」
(Glenn Scherer, The Godly Must Be Crazy, Christian-right views are swaying politicians and threatening the environment, 27 Oct 2004.以下同様)


この理由は、キリスト教右派の終末論にあるという。

「多くのキリスト教ファンダメンタリストたちは、地球の未来を心配するのは馬鹿らしいことだと考えている。なぜならば、地球に未来はないと信じているから。彼らは、今は終末の時であり、まもなく神の子が再臨し、義人は天国に入り、罪人は呪われて永遠の地獄に入ると考えている。

さらに、彼らは、他の幾百ものキリスト教ファンダメンタリストたちとともに、環境破壊を無視すべきであるだけではなく、歓迎し、助長すらすべきであると信じている。なぜならば、それは来るべき破局の兆候だから、と。」

そして、このような考えは、少数の頭のいかれた人々のものではなく、非常に強力な影響力をもつ人々に蔓延している、という。

「これは、少数の過激派議員に関する話ではない。主要な宗教右派組織から肯定的な評価(80点以上)を得たこれらの231人の議員(そのうち5人ほどが共和党員)は、米国議会の議席の40パーセント以上を占めているのである。」

「これらの政治家の中には、環境行政の主要メンバーだけではなく、次のような、米国政府において最も力のある人々が含まれている。

上院多数党院内総務長ビル・フリスト、上院多数党院内総務幹事ミッチ・マッコンネル、上院共和党大会議長リック・サントラム、上院共和党政策会議議長ジョン・キル、下院議長デニス・ハスタート、下院多数党院内総務幹事ロイ・ブラント、米国司法長官ジョン・アシュクロフト、そして、恐らくブッシュ大統領も。

(今月はじめに、ロン・サスカインドによる、『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』誌のカバーストーリーによれば、ブッシュの信仰に基づく政治が、中東における破局的な「クルセード」の第一の原因であり、「リベラリストとファンダメンタリスト、プラグマチストと真のクリスチャン、理性と宗教の間の戦い」の基盤作りをした。)」

「これらの政治家は、氷山の一角に過ぎない。2002年のタイム/CNNの世論調査によれば、アメリカ人の59パーセントが、黙示録の予言が成就しつつある、と信じ、約4分の1が、聖書は911事件を予言していた、と信じている。」

我々がこのHPで警告していたことがまさに実現した!

聖書預言の私的解釈によって、これだけ大きな悪影響が広がっているのだ!

アメリカ全体が、聖書の間違った解釈によって、あらぬ方向に導かれている。

「黙示録への信仰は、現代のアメリカの政治において強力な推進力となっている。2000年の選挙において、キリスト教右派は、少なくとも1千5百万票をブッシュに投じた。これは、彼を大統領にするために投じられた票の30パーセントを占める。」

「票田として強力な力を持つキリスト教右派は、アメリカの指導者の多くに大きな影響力をもっている。これらの指導者の中には、終末信仰者もいれば、そうでない者もいる。どちらにしろ、彼らの票は、聖書を文字通りの真理として受け入れ、黙示録の実現を熱望する人々によって大きく左右されているのである。そして、これは、…地球保護に関わる人々にとって悪夢である。」

 

 

2005年12月4日

 

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