世界統一政府運動から脱却するにはまず聖書を元に戻すことが必要


ホートがウェストコットに宛てた、1864年9月23日付けの手紙において、彼はアーヴィング主義というディスペンセーショナリズムの前駆的運動に支持を表明した。


そんなに遠い昔ではない時期に、私があなたとライトフットを驚かせたのを覚えています。それは、「プロテスタントの信仰は、一時的なものでしかない」と述べたからです。つまり、アーヴィングの信条(ただし、アーヴィングの群れが他よりも優れているという考えだけは受け付けられない)は、終末論に関して私には疑念の余地はないほど確実であるように思えます。
(Arthur Hort, Life and Letters of Fenton John Anthony Hort, Volume II, (New York Macmillan and Co., 1896), p. 31.)

現在のディスペンセーショナリズムの終末論運動は、このアーヴィング主義の終末論、つまり、患難前携挙プレ・ミレ説(まもなく終末がやってきて、大患難時代が始まるが、その前にクリスチャンは携挙されると考える説)の後継者として現れた。

それゆえ、我々は、ホート=アーヴィング終末論=ディスペンセーショナリズムの霊的結びつきを見ることができる。

ホートが行ったことと、アーヴィングの活動には共通点がある。

デイビッド・J・エンゲルスマはTry the Spirits -- A Reformed Look at Pentecostalism" (1988)において次のように述べた。

1800年代のイングランドにおけるペンテコステ主義の先駆者であるエドワード・アーヴィングの運動が12人の使徒を選別したことは注意に値する。それを行うことによって、運動は首尾一貫性を獲得した。たしかに自らを使徒と呼ぶことに躊躇しているにせよ、今日のペンテコステ主義もその指導者に、使徒だけが所有していた権力を与えている。つまり、教会やクリスチャンの交わりに対する絶対的な権力。そして、神の御心に関する新しい啓示を神から受けて、教会に伝える権限。クリスチャンを拘束する聖書に追加された新しい教えを伝える権限。今日[1988年]、「後の雨運動」では、まもなく35人の使徒が現れると言われている。ウェストコットとホートも神秘的な「使徒の仲間」という団体に所属していた。ヴェラ・アルダーは、When Humanity Comes of Age というニューエイジの手引書で、新世界秩序が現れたら、反キリストと一緒に統治する12人委員会が組織されると予言した。

世界政府と、「キリスト」をトップとする12人からなる霊的内閣は、すべての考古学的文献を調べるだろう。・・・そこから調査委員会は、世界宗教の「新しい」聖書を作り上げるだろう。これは、将来の教育の基礎となるだろう。
(Vera Alder, When Humanity Comes of Age, New York: Samuel Weiser, 1974, p. 39.)


ニューエイジ運動の源流がウェストコットとホートの「幽霊会」であることを考慮すると、どうやらウェストコットが作り、ホートが会員であった「使徒」という団体は、この「世界政府」の「12人からなる霊的内閣」と関連があり、ウェストコットとホートのアレキサンドリア写本に基づく聖書翻訳は、「世界宗教の『新しい』聖書」を目指したものではないかと疑いたくなる。

我々がサタンによる世界統一政府運動から脱却する第一歩は、この「新しい」聖書を捨てて、古い聖書を採用することにあるのではないかと思われる。

 

 

2009年11月29日

 

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