進化論は科学ではなく宗教だ
よく創造論者の「エントロピーの法則」を持ち出して進化論を批判すると、「エントロピーの法則は閉鎖系にのみ適用できるから反論にならない」という議論を進化論者はする。
しかし、彼らは、宇宙を「閉鎖系」としているのだ。
なぜならば、神を前提としていないから。進化論は、神の創造を前提としない議論なわけだ。ということは、宇宙から神を除外している。
つまり、宇宙を、外部とのエネルギーのやりとりがない閉鎖系と考えている。
だから、無神論の宇宙論では、いずれ宇宙は完全な平衡状態になって終わるとする。
つまり、今は宇宙内部において、エネルギーに偏りがあり、熱い部分と冷たい部分があるが、時間とともに平均化し、ついにはまったく偏りがない状態になって終わるとする。
そして、閉鎖系の場合、内部においてエントロピーは一定もしくは増大の不可逆的変化しかないと認めている。
とすれば、無神論の宇宙論では、宇宙内部において、エントロピー減少が起こることはないのだから、進化のような自己組織化というものはありえないということになる。
それに対して、エントロピー増大の中にわずかなゆらぎがあって、自己組織化も起こるという考えがあるそうだ。
例えば、閉鎖系のガラスの箱の中に置かれたコーヒーのカップにクリームを垂らすと、拡散していく一方ではあるが、わずかに渦ができる。このわずかなゆらぎこそが、進化の可能性だとする。
残念ながらこの議論は無理。
確率的に。
進化論は、クリームの渦のような単純なものではない。
最少たんぱく質1個は20種類のアミノ酸100個でできているそうだ。
一つの生体内化学変化において必要な酵素を構成する最小たんぱく質1個ですら偶然に成立する確率は、20の100乗分の1である。
そこで、チャールズ・ユージン・ガイ博士が、原子がランダムに集まって、最少の原子(炭素、水素、窒素、酸素)からなるたんぱく質分子1個を作る確率を計算した。注意していただきたいのは、博士は、92元素全部の成立や生命の誕生の確率についてではなく、「単一のたんぱく質分子」の成立についてだけ計算したのである。
その結果、偶然の作用によって、たんぱく質分子1個が生まれるのに必要な原子の集合は、その中心から出発した光が10の82乗年かかってやっと表面にたどりつくほど巨大な球体になったという。しかし、現在の推定では、宇宙の大きさは、半径10の9乗光年である。
地球の大きさの天体において、偶然にたんぱく質分子1個ができることを期待すると、10の243乗年かかるという。地球の年齢は、10の9乗年といわれているので、生物の進化の動因を偶然に求めることがいかに愚かかがわかる(Lecomte du Nouy, Human Destiny (New York: Longmans, Green, 1947), p. 34; cited ibid., p. 375.)。
2008年6月26日
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