ビザンチン本文を復活させよう
ビザンチン本文から直接訳した聖書が必要だ。
なぜならば、今我々が使っている聖書は、アレキサンドリア写本に基づくが、これは非常にマイナーな写本であり、初代教会から宗教改革者までギリシャ語圏において圧倒的に使用されてきた写本にもとづく本文とは異なるからだ。
“THE NEW TESTAMENT IN THE ORIGINAL GREEK BYZANTINE TEXTFORM 2005” の序文において、ビザンチン写本学説が紹介されているのでご紹介する。
ビザンチン本文は、ギリシャ語圏でもっとも多く使用されていたテキストである。
この優位性は、遅くとも4世紀から16世紀の印刷術の発明まで続いた。
マジョリティ・テキスト学説(ビザンチン本文学説)の支持者は、このテキストが、さらに4世紀以前の数百年間においても、ローマ帝国の主要なギリシャ語圏(南イタリア、ギリシア、小アジア)を支配していたと考える。これは、広範囲かつ多様な地域であり、ここにおいて4世紀以前に写本や視覚的及び教父的な証拠は見つかっていないのだが、しかし、その後数世紀にわたってビザンチン本文が主に使用されていたという事実がある。
伝達という点から考えると、写本の伝達において記録にはっきりと残っている大変動がない場合、多くの写本の中でひとつの本文だけが優勢になると期待される。
このような通常の伝達が起こった場合、次のことが仮定できる。すなわち、「現存する写本の基礎が一致して証言する内容は、その原型となる起源を反映している可能性が高い」と。それは、「単一の写本や写本の小さなグループよりも高い、または、広範囲に及んだ多様性や伝達的継続性を達成することに失敗した孤立した視覚的もしくは教父的文書よりも高い」と。
「たとえそれが非優勢的伝達経路を代表する写本から作成された場合であっても、合意された本文は、より優勢な伝承から乖離するよりも、むしろ、そちらに近づくことのほうが多い」という事実はこの仮定を支持している。
このように、ビザンチン優勢仮説は、正典伝達に関してもっとも可能性の高いシナリオを提示しているようだ。
http://koti.24.fi/jusalak/GreekNT/PREFACE.PDF
2010年4月3日
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