バカの壁を批判するなら
養老教授の『バカの壁』という本が売れて、今はシリーズも出てベストセラーになっているそうだ。まだ読んでいないのだが、朝日に中条省平氏が書評を書いていたのでそれについてコメントしたい。
「話せばわかる」なんて大嘘だという。現にみんな「バカの壁」を築いて、知りたくないことに耳を貸そうとしないではないか。その結果、戦争やテロや紛争がやまない。…
自分は正しくて、相手は正しくない。そんな主張が出るのは、現実があやふやで、人間は何か確かなものを求めるからだ。そして、人間には分からない現実をすべて把握している者がいる、というフィクションを考え出した。「神」である。唯一絶対の存在があるから「正解」もある。こうしてどんな場合でも「正解」を徹底的に追求する。それが一神教だ。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教。みんな、そんなフィクションを信じている。
2004年5月9日
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