現代聖書翻訳の父ウェストコットとホートの正体
現代の英語聖書のほとんどが19世紀の2人の人物の影響を強く受けている。それは、ブルック・フォス・ウェスコットとフレントン・ジョン・アンソニー・ホート博士である。
キング・ジェームズ訳(KJV)は、Textus Receptus (英語でReceived Text)という底本に基づいて訳されている。Receivedと言われているのは、聖書を信仰する人々によって何世紀にもわたって受け入れられてきたという意味である。
Textus Receptusは、現存写本のほとんど(90%以上)を代表しており、この事情はKJVが訳された当時と変わらない。それゆえ、それは、マジョリティ・テキスト(多数派本文)とも呼ばれる。
ウェストコットとホートは、Textus Receptusを軽蔑し、独自の新しいギリシャ語聖書を制作しようとした。
彼らは、主に2つの写本を底本として使用した。それは、Vaticanus (Codex B)とSinaiticus (Codex Aleph)であった。Vaticanus写本は、バチカンに何世紀もの間保管されていた。
ウェストコットとホートによるこのギリシャ語聖書は、1881年の改定訳の基礎となった。ウェストコットとホートは、改定委員会のリーダーであった。
「改定」という名前は嘘である。それは、KJVの改定訳ではなく、まったく新しい翻訳であり、KJVに代わるものとして提供された。100年たった現在、KJVは、英訳聖書の中でほとんど唯一のTextus Receptusに基づく翻訳となっており、Vaticanus写本に基づく他のほとんどすべての英訳聖書と対照をなしている。
さて、なぜウェストコットとホートは、Textus Receptusを嫌ったのだろうか。彼らにはどのような背景があったのだろうか。
ウェストコットとホートの素性を調べたジェームズ・W・ブルッゲマンは彼らの霊的神学的背景に驚愕した。この両者とも、現在のニューエイジ運動の先駆けとなった有力なオカルト秘密結社を創設したメンバーであることが判明したからだ。
著書The Life and Letters of Fenton John Anthony Hortの中でホートの息子は父親についてこう述べた。
父は、つねにある秘密結社の忠実なメンバーであり続けました。この結社は現在[1896年頃]、卓越した人々が加入する有名なクラブになっています。その当時、・・・父はおもに誓いの言葉に関する責任を負っていました。この誓いの言葉によって、メンバーは秘密を保持する義務を負っていました。
最近のチャネリング熱のリバイバル・・・の跡をたどると、一つの源に行き着く。それは、ウェストコットとホートである。これらの新しい版を著した人々は、その「ヘルメス」クラブでは飽き足らず、交霊術にかかわるようになり、そして、ついに幽霊会という団体を設立するにいたった。(Gail Riplinger, New Age Bible Versions (Munroe Falls, OH 1993) p. 410.)
心霊研究会の活動記録を見ると、著名人の中に次のような人々の名前がある。すなわち、ウィリアム・クルックス、オリバー・ロッジ、アンドリュー・ラング、コナン・ドイル、アーサー・バルフォア、ジェラルド・バルフォア。
2009年8月4日
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