国から事業権を剥奪せよ2


「国に事業をさせるな」というと、「明治維新のときに、国が主導しなければ日本はやられていただろう。」という反論がある。

あれは戦時だったのだ。

外国に侵略されそうになっていた。だから明治維新は、戦時体制であり、普通の平和時の体制ではない。

聖書では、戦時下の体制と平和時の体制を区別している。

戦時下では、社会はトップダウンで形成される。

しかし、平和時では、ボトムアップである。

つまり、どういうことかというと、戦争において、下から意見を吸い上げていく方法(ボトムアップ)は通用しない。

トップの命令を下の階級のものが聞いて忠実に遂行しないとまとまりがなくなり、戦争に負ける。

しかし、この体制を平和時に適用してはならない。

なぜならば、平和時においてトップダウンは機能不全に陥るからだ。

平和時においては市場が支配する。需要と供給に社会は基づいて動く。

この場合に、トップの命令を下のほうが聞いていては、ものが売れない。

ものを売るためにはボトムの動向をリサーチし、何が求められているか顧客の意見を聞く必要がある。

だから、戦時下の体制は機能しない。

今の日本の官僚制、国家の体制は、明治維新という戦時下において形成された「戦時体制」である。

列強に負けない国を作るために、社会は、国として一糸乱れず統制されなければならなかった。

しかし、これは平和時の体制ではないから、今のような問題が生じている。

平和時には、官より民のほうが強くなるのだ。

バブル時代、早稲田の人気が東大を追い抜いた。

社会が豊かになれば、人々は官よりも民を選ぶ。

日本の改革は、戦時体制から平和時の体制に切り替え、官を大胆に小さくし、できるだけ市場原理に基づいて社会が動くようにすべきだ。

 

 

20010年1月20日

 

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