ファンダメンタリズムを批判したいなら内容を理解すべきだ
イスラム原理主義とキリスト教原理主義を結びつけて、キリスト教のファンダメンタリズムすらも危険視する意見がブッシュ大統領のイラク戦争以降はびこっている。
個別内容を見ずに、味噌も糞もいっしょにして批判するのは無教養の人間のやることだが、事実騙されている人が多いのは残念なことだ。
アメリカの国家主義者の狙いは、実はキリスト教の宣伝ではなく、キリスト教の評判を落すことだ。
キリスト教と戦争が結びつくような行動をブッシュ大統領に取らせたのだ。
ブッシュ大統領は、2つの悪魔的組織に属している。一つはスカル・アンド・ボーンズ、もう一つはボヘミアン・クラブ。
どちらも秘密裏に被造物崇拝を行っている。
こういった悪魔崇拝者がクリスチャンを自称して、悪魔的な行動を取ったのが911事件からイラク戦争への一連の流れだ。
これでどれだけファンダメンタリズムに傷がついたことか。
ファンダメンタリズムについて詳しくない人は、批判する前にきちんと内容を理解すべきだ。
(1)
ファンダメンタリズムは聖書を無誤無謬の神の言葉と信じる。
これは、宗教改革者からずっと一貫して正統的キリスト教が取ってきた立場であり、けっしてカルトではない。
正統派キリスト教によって、西洋は科学や政治制度などにおいて未曾有の発展を遂げた。
「聖書を権威として信じる」→「科学否定・独裁制」という図式は成立しない。
(2)
ファンダメンタリズムの教会は、近年ディスペンセーショナリズムという異端的考え方によって汚染された。
歴史的にファンダメンタリズムは、いわゆる切迫再臨説を取らなかった。
ハルマゲドンや、核戦争によって3分の2の人類が滅亡するなどの教義は、歴史的なファンダメンタリズムに属さない。
これは、1830年代に始まる新しい教義であり、明らかに異端である。
聖書解釈の方法は、文脈や歴史的背景に基づくものではなく、主観的、神秘主義的である。
例えば、黙示録を解釈する場合に、その手紙のあて先、執筆年代、文脈、歴史的背景から離れて、それを今日の出来事に「いかなる聖書的裏付けもなく」当てはめる。
だから、これまで13章の「獣」は、毛沢東やヒトラー、ロスチャイルド、ロックフェラーなど様々な人間と解釈されてきた。新聞やTVを見ながら解釈するため、時代時代に異なる人間が取り上げられてきた。
1980年代に、1989年までに携挙が起こると主張した研究家が数々いたが外れた。
「世の終わりが近い」などと叫ぶこれらの異端的教説によってファンダメンタリズムは毒されている。
(3)
ディスペンセーショナリズムの汚染によって、ファンダメンタリズムは、キリスト教を宗教的生活に限定するようになった。
歴史的にキリスト教は、社会改革のために戦ってきた。
ピューリタン革命や市民革命、カルヴァンのジュネーブでの改革、ジョン・ノックスのスコットランド改革は、政治的であった。
社会改革を否定する教えは、ファンダメンタリズムの特徴ではない。
以上、ファンダメンタリズムの本質的な部分と、間違った教えによって毒された部分とをえり分けて考えないと、「聖書を無誤無謬と信じること」や「社会改革」も批判するようになる。
今日流行しているファンダメンタリズム批判は、「間違った終末論」の部分においてのみ正しい。ほかの部分は間違っている。
2008年3月1日
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