新庄健吉と国際金融資本
太平洋戦争開戦通告の遅れの原因は、新庄大佐の葬儀に出席した野村・来栖両大使が、牧師の長々しい説教に付き合って遅刻したからだ。
http://www.millnm.net/qanda2/5BPzABK80627.htm
ある人は、「このような情報は戦没者に対する侮辱である」というが、問題をはきちがえている。
いかに外務省が無能であっても、戦没者の死とはいかなる関係もない。
電報の清書に手間取ったことが理由であっても、愚かな失態という点では同じである。
さて、この新庄健吉という人物について浜田政彦氏が興味深い情報を提供されている(『神々の軍隊VS国際金融資本の超暗躍』(徳間書店、2008年6月)。
彼は陸軍経理学校を首席で卒業した秀才であった。陸軍三等主計(少尉)としてシベリア出兵に参加。そこで、ロシア革命を目撃し、ボルシェビキの原動力であるマルクス主義に注目。帰国後、本格的に研究を開始した。
東京帝国大学に陸軍派遣学生として経済学を学び、大学院にまで進んだ。帝大を修了した新庄は陸軍省において、軍事研究員としてソ連・東欧・ドイツ・フランス・イギリスなど各国を渡り歩き、これら国々の経済・金融事情を徹底的に研究した。その中で彼はある事実に気づいた。
そして新庄は、敵国間の背後に、イデオロギーの対立を超えて暗躍する一つの勢力の存在に気づくのである。この勢力は、思想や文化ではなく「貨幣」を唯一の拠り所とする、無国境な国際金融資本であった。
「彼ら」は国際通貨を基準として世界を飛び回り、この動きにあわせて各国政策に影響を与えていたのである。その無機質・無表情・無感情な得体の知れぬ在り方は、新庄健吉を戦慄させた。(148ページ)
新庄は、経済・金融に関する各国の具体的な資料やデータを徹底的に集め、国際金融資本について分析した。その結果彼は、恐るべき結論に行き着いた。それは彼らが日本を狙っている、という結論だった。彼ら″は日本を満州から引きずり出して中国に侵攻させることで、日本を泥沼に引きずり込もうとしていたのである。そしてこの計画の最終目標は、日本をアメリカ(ウォール街)も含む全面戦争へと追い込むことであった。(同)
アメリカ (ロックフェラー財団のスタンダード石油)とオランダ(ロイヤル・ダッチ・シェル石油) はただちに対日全面禁袖に踏み切り、アメリカ(ウォール街)とイギリス (シティ=ロスチャイルド財閥)は日本の対外資産を凍結した。これによって追いつめられた日本は、いやが上にも対英米戦争へと突入せざるを得なくなったのである。(151ページ)
三井物産ニューヨーク支店を拠点に、新庄は活動を開始した。
国際金融資本について熟知する新庄は、日本を滅ぼしかねない日米全面戦争を回避させ、
和平の一翼を担うべく動いていた。だが……。
昭和十六年十月二十一日、新庄は突然倒れて昏睡状態に陥ると、十二月五日、帰らぬ人となった。新庄の葬儀は、皮肉にも真珠湾攻撃の日、十二月八日であった。(152ページ)
2008年12月8日
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