迷える羊が増えた本当の理由
以前訪問した教会において、説教の中で「カルヴァンが何を言った、ルターが何を言った、なんてどうでもいいんです。聖書が何を言っているかが問題なんです。」と言っていた。
牧師は神学に関してはプロです。
プロは、「学界が何を言おうが関係ない。」って言ってはならない。
橋梁の設計技師が、「建築学の理論なんてどうでもいいんです。」と言って平気でいられるだろうか?
医者が、「医学理論なんてどうでもいいんです。」なんて言って許されるだろうか?
今、様々な教会を渡り歩いてついにどこにも行き場がなくなったクリスチャンが多くいるということだ。
この原因の一つは、あまりにも牧師が人の機嫌を取って、「理論なんてどうでもいい」と言い過ぎたからである。こんな発言をしているうちに、本当に理論を知らないアマチュアになってしまったからである。
「自分は、庶民派です。神学、神学と言って、現場をおろそかにするような頭でっかちの牧師ではございません。」
こういった宣伝方法は、違法だ。
どの分野においても、庶民に対して「学問を軽視してよい」と説く専門家は、偽者だ。
庶民は馬鹿ではない。専門知識のない専門家、専門分野について勉強をおろそかにしている専門家は、見捨てられる。
庶民が専門家に金を出すのは、自分がいちいち専門書を読んでその道の深遠な知識を学ぶ時間的・経済的余裕がないからである。
だから、専門家と呼ばれる人々は、庶民に代わってよく勉強し、専門に関する広くて深い知識を得なければならないのである。
群れを失った羊が大量に発生しているのは、専門家がいなくなったからである。
アマチュアレベルの知識しかない「専門家」に頼ってもらちがあかないので、人々は本物を教えてくれる人間を探してさまよっているのである。
2005年12月8日
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