ユダヤ人が迫害を訴えてもそのまま信じるな
(1)
マーヴィン・トケイヤー氏の新刊『ユダヤ製国家日本』を読んだ。
いろいろ興味深い逸話が紹介されているのでお勧めである。
ただ、いくつか気になるところがある。
それは、氏のキリスト教嫌いだ。氏は、キリスト教徒はユダヤ人や有色人種を迫害し、差別した歴史がある、という。
たしかにそうだが、キリスト教がそういうことをしたというならば、「聖書の中にユダヤ人や有色人種を差別せよ」という教えがあると証明しなければならない。
もしくは、イエスがそのように命令したとか。
もしなければ、氏は、「キリスト教と、逸脱クリスチャンとの区別のできないか、もしくは、したくない反キリスト的悪意の持ち主」というレッテルを貼られるだろう。
私は、教えそのものを批判せずに、教えを報じる人々の悪行をあげつらって教えを批判するような、アジテーションをする人間を信用できない。
強い偏見にとらわれているからだ。このような人間は自由ではない。悪意にとらわれ、対象を貶めることに意識が集中しており、公平な判断力を失っているから。むやみに剣を振り回すように操作された悪魔の手先になっている可能性が高い。
だから、このような文章はトケイヤー氏にとって大きな汚点となるだろう。
さて、日本人とユダヤ人が仲良くなることは喜ばしいことだが、しかし、いっしょになって欧米のキリスト教文明を否定するようになれば、不健全である。日本人もユダヤ人も、今自分が享受している科学技術文明、政治的自由、宗教的自由は、キリスト教文明の遺産である。
人々にキリスト教の負の遺産だけに意識を集中させ、キリスト教を全面否定させるように導かないように両民族は注意すべきである。
(2)
この本の中においてヤコブ・シフについて好意的に描かれており、ユダヤ人迫害を行っていたロシアへの復讐の意味で日本にお金を貸したと書いてあった。
たしかに「表面的には」そうである。
日露戦争において日本はユダヤ人の金で勝利できた。
19世紀から20世紀にかけてユダヤ人迫害があり、多くのユダヤ人がロシア人に襲撃されたのは事実だ。
しかし、注意しなければならないのは、純粋にロシア人は悪者で、ユダヤ人は善意の被害者と位置付けてよいのだろうか、ということだ。
私は、ユダヤ人の宣伝に注意しなければならない。
ユダヤ人は、自分を被害者として世界に紹介することに巧みである。
ある大学の教授の依頼で、ユダヤ人迫害当時の資料集を訳したことがある。まだ日本にまったく紹介されたことのない文章である。
それを読むと、我々がイメージしているのと実際の状況がかなり異なることに気づく。
それは、
(1)ユダヤ人虐殺はほとんどなかった
(2)ロシア人は皇帝の命令(誤報)で襲撃した
ということだ。
(1)について、私が読んだ資料においてユダヤ人が殺されたケースは2,3件しかなかった。ほとんどは、ただ所有物の破壊だけだった。
襲ったのはロシア人の農民で、教会に通う人々だった。
彼らは「ユダヤ人の家屋を襲撃せよとの命令が皇帝よりあった」との誤報を信じた。
したがって、彼らは持ち物の破壊以外行わなかった。中には略奪する者もいたが、警察が回収を命じたら素直に返却に来た。
ロシア政府や警察は、ユダヤ人襲撃を積極的に取り締まった。もちろん、能力の問題で十分ではなかった場合もあったが、政府と地方警察当局の対話の中には、事態の収拾に必死になっている様子が現れていた。
だから、ヤコブ・シフが言うように、「ロシアはユダヤ人を迫害した」というようなことはなかったのだ。
だから、ロシアに対して日本を使って復讐するというようなことも的外れなことであり、それをトケイヤー氏が好意的に紹介したのには、疑問符を打たざるをえない。
私の推測では、この一連の事件は、ヤコブ・シフ側の計略である。
先の資料では、ユダヤ人襲撃をたきつける文書や伝聞が誰かによって撒き散らされたと記されていた。
ロシア人農民は、単純なのでまんまと騙されて襲撃に参加した。
流れはこうだ。
皇帝暗殺→ユダヤ人の仕業だという噂→ユダヤ人襲撃命令が皇帝から下ったという誤報→ロシア人農民によるユダヤ人襲撃(ポグロム)→ロシアへの復讐として日露戦争→ロシア革命→スターリンによる独裁
恐らくユダヤ人迫害の隠れた目的とは、イルミナティによるロシアの掌握である。
だから、ユダヤ人が「我々は迫害されているのです」と宣伝していたら我々は注意して見なければならないのだ。
2008年4月7日
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