第29代航空幕僚長田母神俊雄氏の論文について2


氏は、論文「日本は侵略国家であったのか」によって事実上解任された。

http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

TBSラジオ「アクセス」の麻木パーソナリティは、昨日の放送で、「何でもコミンテルンのせいにするとは言語道断」という内容のことを言っておられたが、この問題は簡単には片付けられない。

前衆議院議員で、戦時中内務省警保局にて、思想犯を扱った故三田村 武夫氏は、『大東亜戦争とスターリンの謀略』(『戦争と共産主義』の改題、自由社、1987年1月)において、近衛内閣の参謀であり、コミンテルンのスパイ尾崎秀実は、日本を中国への侵略戦争に引き込むことを画策し、日本政府はそれに引きずられたとはっきり書いている。

また、三田村氏は著書の中で、かつて憲兵の総元締めである陸軍省兵務課の課長をし(後、局長)、陸軍内部の思想傾向と外部との連絡関係にも深い知識を持っていた田中隆吉が、武藤軍務局長を中心とする政治軍人の背後には共産主義者の理論指導があり、軍閥政治軍人はこの共産主義者の巧妙にして精緻なる祖国敗戦謀略に躍らされたと言っている。

これは当時憲兵の総元締めをしていた人物の発言であるから、単なる「とんでもない陰謀論」では片付けられないだろう。

当時の軍部は、共産主義思想によってかなりおかされていた。

戦前、世界は、共産主義者による世界同時革命の計画の中にあり、日本がその計画に巻き込まれ、中国及びアメリカとの戦争に巻き込まれた可能性は否定できない。

その証拠は、対中対米戦争への道の要所要所に共産主義者が顔を出すことである。

氏の論文は残念ながら、緻密な資料による裏づけがなかった。

そのために、このような評価が下されてしまったのだろう。

しかし、内容そのものは至極当然のことが書いてある。

論証の手続き以外に問題を私は感じない。

 

 

2008年11月8日

 

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