聖書律法綱要

第四戒 第1節
自由のしるし2

第四に、安息日の法的な立場が変わっただけではなく、休息の日もヘブライの安息日からキリスト教の復活の日に代わりました。申命記の法(申命記5・12-15)から明らかなのは、「ヘブライの安息日はエジプトからの救いを祝う祝日であった」ということです。「あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、主が力強い御手と伸べられた腕とをもって、あなたをそこから連れ出されたことを覚えていなければならない。それゆえ、あなたの神、主は、安息日を守るよう、あなたに命じられたのである。」(申命記5・15) このように、安息日には、ヘブライ人の贖いが祝われていました。キリスト教の安息日は、罪と死に対するキリストの勝利を記念するため、週の初めの日、復活の日に祝われるのです。この日を拒絶することは、キリストの贖いを拒絶し、他の許されざる方法によって救いを求めることを意味します。

第五に、「ヘブライの安息日は現代の土曜日に当る」と考えることはできません。カーティス・クレア・ユーイングがはっきりと述べているように、イスラエルの暦を見るときに、このような考えは否定されます。シナイに滞在していたイスラエル人が持っていた暦は、太陽暦であり、紀元359年にはじまる現代ユダヤ太陽太陰暦と混同してはなりません。ユーイングは、不幸にも時折「[天体の]月」が「[暦の]月」と訳されており、これが混乱の原因となっているという事実に注意を喚起しています。聖書は3つの安息日について述べています。創造における安息。エジプトからの救いを祝ったヘブライの安息日。「キリストの完全復活を記念し、今残っている唯一の安息日である」8 キリストの安息日。ユーイングが指摘するように、第4戒は「思い出せ」と命じています。それは、創造の安息日、神の休息を契約的休息の模範として想起させるからです。

安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。
六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。
しかし七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない。――あなたも、あなたの息子、娘、それにあなたの男奴隷や女奴隷、家畜、また、あなたの町囲みの中にいる在留異国人も。――
それは主が六日のうちに、天と地と海、またそれらの中にいるすべてのものを造り、七日目に休まれたからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものと宣言された。(出エジプト記20・8-11)

申命記において、イスラエル人は「思い出せ」とは命令されていません。というのも、そこでは創造の安息日の模範は視野に入れられていないからです。イスラエル人は、エジプトからの解放を記念して安息日を「守れ」と命令されているのです。

安息日を守って、これを聖なる日とせよ。あなたの神、主が命じられたとおりに。
六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。
しかし七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない。――あなたも、あなたの息子、娘も、あなたの男奴隷や女奴隷も、あなたの牛、ろばも、あなたのどんな家畜も、またあなたの町囲みのうちにいる在留異国人も。――そうすれば、あなたの男奴隷も、女奴隷も、あなたと同じように休むことができる。
あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、主が力強い御手と伸べられた腕とをもって、あなたをそこから連れ出されたことを覚えていなければならない。それゆえ、あなたの神、主は、安息日を守るよう、あなたに命じられたのである。 (申命記5・12-15)

エジプトからの救いのゆえに、イスラエルは「だから」安息日を守られなければならないのです。必要な休息の範囲は、申命記にさらに具体的に記されています。
ヘブライの暦は、エジプトからの解放の日から始まっています。ユーイングが指摘するように、ヘブライ人はエジプト人の12ヶ月と30日の暦を保有していましたが、年の最後に5日を追加するのではなく、第6月の月末に3日を、第12月の月末に2日を追加しました。

(つづく)

 

 

2005年9月6日

 

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