メシアニック・ジュー神学の落とし穴
メシアニック・ジュー神学の大きな落とし穴は、異邦人神学を全面否定するところにある。
もちろん、全面否定する人々はわずかだろうが。しかし、その傾向はたぶんにある。
そもそも「異邦人神学」などない。なぜならばクリスチャンは異邦人ではないから。
クリスチャンは、キリストを通じてアブラハム契約に入った人々である。
だから、異邦人クリスチャンは霊的ユダヤ人、霊的イスラエル人である。
そして異邦人出身であっても、クリスチャンになれば、イスラエルと同じ霊を受けるから、同じ霊的理解に達するはずである。
だから、異邦人が2000年間築き上げてきた神学を全面否定することは絶対に間違っている。
神学の発展に大きく貢献したヨーロッパ人、アメリカ人を軽蔑し、彼らに対する民族的な差別意識からメシアニック・ジュー神学というものが成り立つならば、極めて不健康である。
そんな「肉的なプライド」に頼っている限り、正しい教えなど身につくはずはない。
私が見る限り、今のメシアニック・ジューの教師で、ヴァン・ティルやラッシュドゥーニー、ゲイリー・ノースを越える人間は一人もいない。
みな小物である。
ユダヤ人クリスチャンは、謙虚になって、キリスト教2000年の歴史の中で積み上げられてきた神学的遺産を吸収し、それを踏まえて、新たなものを出せばよい。
カルヴァン、カイパー、ドーイウェールト、G・メイチェン、ヴァン・ティル、R・J・ラッシュドゥーニー、ゲイリー・ノース、グレッグ・バーンセン、ジェームズ・ジョーダン、・・・
これらの巨人たちからまず学べ。そうじゃないから、今のメシアニック・ジュー神学は、ディスペンセーショナリズムに毒され、きわめていびつな形の神学になっている。
イスラエル国に神殿が建ち、もう一度動物祭儀が行われ、その後千年王国がやってくるなどという妄想を信じている限り、まともな良識ある人々を獲得などできるはずがない。
2008年4月7日
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