Euro Pacific Capital代表ピーター・シフが"Be Careful What You Wish For"というエッセイにおいて今の米国指導者の経済に関する知識に疑問を呈している。
http://www.lewrockwell.com/schiff/schiff14.html
シフは、「アメリカの、そして、世界の経済的破局の原因はケインズの経済思想なのだ。そして、これだけの病気が症状として出ているのに、経済の専門家はそれに気づいておらず、むしろ自分たちこそ知者だと誤解している」という。
現在の経済危機がほとんどのアメリカ人に与えてきた経済的苦境は別にしても、このメルトダウンが生んださらに退屈な副産物の一つは、おそらく経済に関する愚かな無駄話を回避できないということだろう。不幸にも、いわゆる経済学者は口をそろえて、現在の袋小路に我々を導いたケインズのナンセンスを支持している。
少なくとも、彼らは、ひどく歪んだものとはいえ、経済に関する基礎的な考えに関する瑣末な知識をいくらか持っている。さらに事態を悪化させているのは、政治の専門家たちの経済に関する理解は、一般に財務省の主張に依存しており、自分たちが現在の状況をよく知っているかのように述べ立てることである。
シフは、マクローリングループが主催する日曜朝の政治番組を見た。このグループは議論の中で、経済に関する常識を欠いていることを露呈した。彼らの考えは独特ではなく、アメリカ人に広く信じられているものだという。
アンカーを務めたジョン・マクローリンは、政治戦略の専門家であるが、現在の世界経済に関して見解を述べた。
彼によると、経済危機をもたらした主な責任は中国とドイツ、日本にある。これらの国々の罪は、継続的な貿易黒字、「高すぎる」貯蓄率、「低すぎる」消費率であると。これらの国の政府は、自国の消費者にもっと借金をして、もっと金を使うように国民を指導すべきだと。
しかし、もし世界の債権国が、マクローリンの助言に従って、自ら借金国になるならば、お金はどこから来るのだろうか。貸す側に金がなくなれば、借りることもできなくなる。これらの国々は、すでにアメリカに大量のお金を貸してきた。アメリカ人が借りることができたのは、これらの「罪深い国々」が貸してくれたからなのだ。
マクローリンは、消費を刺激すれば、アメリカの製品を輸入してくれるだろうという。しかし、中国がさらに消費するようになれば、米国製品よりも今輸出している自国製品を買うだろう。アメリカ人が米国製品を買おうとしないなら、どうして中国人がそれを買おうとするだろうか。
消費者が米国製品を選ばないのは、単にそれに競争力がないからにほかならない。
もし債務国を真に犯罪者と呼ぶことができるならば、「我々に実力以上の生活を可能にし、偽者の経済成長を助長した」という意味においてだけである。
中国や日本がマクローリンの提案にしたがって借金と無理な消費の道に走るならば、米国経済は、彼が信じたのと逆の方向に進むだろう。すなわち、ドルは崩壊し、消費者価格も金利も急激に上昇し、現在の不景気はさらに悪化することになるだろう。・・・
アメリカ人は、夢を食べて生きてきた。そして、その夢を支えてきたのは、ドイツ、中国、日本だった。彼らに無理な借金をさせ、消費を煽ってきた。
そのつけが回ってきたということだ。
我々は、ケインズを捨てなければならない。借金と消費に基づく幻想の経済を捨てなければならない。
ちなみに:ケインズは同性愛者であった。現在の経済破局は、同性愛者の空虚な経済理論によってもたらされたということだ。