消費税増税にホイホイと賛成する前に


いよいよ、消費税の引き上げに向けて政府は活動を開始した。

これ以上消費税を増やせば、消費意欲が下がるのは当然だ。せっかく上がりかけた景気をどうして冷やすのか?

消費税アップ以外、財政の健全化をする道は残されていないかのようなことを言っているが、まずこれだけ巨額の税金を必要とし、さらに足りないとわめきつづける政府の財務体質こそ問題ではないか?

浪費家に金を与えても焼け石に水。さらに欲しがるのは目に見えている。

浪費家の本質は、「堕落」である。

自分の殻に合った生活ができない、というのは、堕落した人間の特徴である。

堕落した人間にさらに金を与えても、さらに堕落させるだけだ。

堕落した人間を真人間に変えるには、根性を叩きなおして、無理やりでも少ない金で生活させることだ。

今、国民が消費税を上げることに賛同するならば、国民はますます政治家や役人を甘やかして、スポイルし、彼らを無能化することになる。

あるラジオで経済評論家が、「介護制度など、新しい制度ができたりして、国の支出が拡大しているのだから、消費税を上げるしかない。」と消費税増税を当たり前のことのように言っていたが、専門家までもが騙されている。

目を大きく開けてよ〜く見てみよう。

何が原因なのか? こんなに国民から税金を取って、なぜまだ足りない、足りないというのか?

問題は、「福祉」にあるのだ。

いや、さらにつきつめて言えば、福祉国家の土台となっている「国が国民の生活を面倒見る」という神学が問題なのだ。

この神学を作ったのは、マルクスだ。

ご存知のとおり、世界でマルクス主義の国はどんどんつぶれている。

まず日本の政治家や役人がやらなければならないのは、頭の構造をまるっきり変えることだ。

福祉国家はマルクスが作った砂上の楼閣であることを一刻も早く認めて、大胆に福祉行政を切り捨てて、公務員の数を劇的に減らすことだ。

これまでの自分たちの常識が破滅の経済学に基づいていることに早く気付いて、一日も早く福祉国家なんていう幻想を捨てることだ。

「tomiさん、それじゃあ、日本を愛のない社会にしようとするのですか?」と聞く人がいるかもしれない。

私は、日本を愛のない社会になどしようとしているのではない。

公務員が福祉の担当者になるな、と言っているのだ。

国民から集めた年金の運用を、通信教育で株の売買を覚えた人間にやらせるな、と言っているのだ。

この血と汗と涙の結晶を、それが血と汗と涙の結晶だと気付いていない人間にまかせるな、と言っているのだ。

年金が欲しいなら、地域社会や、職場社会、教会、会社など、人々が自前で互助組織をつくり、年金制度を作ればよい。顔が見える福祉ならば、少ない資源を効率的に配分することができるだろう。

ヤクザや、仮病を使う怠け者に、生活保護費十数万円を毎月支給することもないだろう。

会社に資金を運用させれば、プロの投資家がその資金を効率よく運用するだろう。

とにかく、国民はマルクスが提供した幻想からはやく脱して、「自分のことは自分で守る」という自主自立の精神を取り戻そう。

化け物のように大きくなった大食漢の贅肉を切り落とすには、自分の一身の都合を考えるような小人物では無理だ。

優れた見識と実行力を備えた人間の登場を待つ以外にはない。

 

 

2004年11月9日

 

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