不労所得を悪と見るな


「労働の裏付けのないお金は汚れたお金だ」という発想が、とくに我々よりも上の世代にある。だから投資を汚れたもののように考える傾向がある。

これは、共産主義の思想である。

共産主義は、相続や投資、金利を毛嫌いする。

商業に対しても、それを軽視する傾向がある。

しかし、聖書は、「不労所得は正当である」と述べる。

そもそも、人間存在とは、神の投資なのである。


それで、イエスはこう言われた。「ある身分の高い人が、遠い国に行った。王位を受けて帰るためであった。
彼は自分の十人のしもべを呼んで、十ミナを与え、彼らに言った。『私が帰るまで、これで商売しなさい。』
しかし、その国民たちは、彼を憎んでいたので、あとから使いをやり、『この人に、私たちの王にはなってもらいたくありません。』と言った。
さて、彼が王位を受けて帰って来たとき、金を与えておいたしもべたちがどんな商売をしたかを知ろうと思い、彼らを呼び出すように言いつけた。
さて、最初の者が現われて言った。『ご主人さま。あなたの一ミナで、十ミナをもうけました。』
主人は彼に言った。『よくやった。良いしもべだ。あなたはほんの小さな事にも忠実だったから、十の町を支配する者になりなさい。』
二番目の者が来て言った。『ご主人さま。あなたの一ミナで、五ミナをもうけました。』
主人はこの者にも言った。『あなたも五つの町を治めなさい。』
もうひとりが来て言った。『ご主人さま。さあ、ここにあなたの一ミナがございます。私はふろしきに包んでしまっておきました。
あなたは計算の細かい、きびしい方ですから、恐ろしゅうございました。あなたはお預けにならなかったものをも取り立て、お蒔きにならなかったものをも刈り取る方ですから。』
主人はそのしもべに言った。『悪いしもべだ。私はあなたのことばによって、あなたをさばこう。あなたは、私が預けなかったものを取り立て、蒔かなかったものを刈り取るきびしい人間だと知っていた、というのか。
だったら、なぜ私の金を銀行に預けておかなかったのか。そうすれば私は帰って来たときに、それを利息といっしょに受け取れたはずだ。』
そして、そばに立っていた者たちに言った。『その一ミナを彼から取り上げて、十ミナ持っている人にやりなさい。』
そして、そばに立っていた者たちに言った。『その一ミナを彼から取り上げて、十ミナ持っている人にやりなさい。』
すると彼らは、『ご主人さま。その人は十ミナも持っています。』と言った。
彼は言った。『あなたがたに言うが、だれでも持っている者は、さらに与えられ、持たない者からは、持っている物までも取り上げられるのです。(ルカ19・12-26)

ここで、身分の高い人とは、神を表す。神は、しもべたちに金を預けて、投資する。そして、リターンを求める。

神は、万人を投資の対象として見ておられる。

だから我々は、「稼がなければならない」のだ。

この人生においてどれだけ自分に与えられた才能や資産、機会、・・・を用いて、商売するか。

費用対効果を考え、最も効率よく稼いだ者に褒美が与えられる。

ディスペンセーショナリズムのように、「この世はサタンの世だから何をやっても無駄だ」という考えは、この聖書の教えとまったく矛盾している。

ディスペンセーショナリストは、この例えでは「悪いしもべ」である。

神を自分の救いに貢献する存在として見、無為無策に徹するディスペンセーショナリズムは、一種の偶像礼拝である。

我々の所有物は、我々のものではなく、神から預かったものである。

子供も、財産も、どのように使うか見ておられる。

投資家である神は、費用対効果を考え、もっともリターンの多い人間に資金を追加投資される。

だから、投資や金利、相続財産を悪と見る、共産主義は、サタンの教えなのだ。

今日、首相が誰がなってもだめなのは、この共産主義のシステムが金属疲労を起こしているからである。

不労所得を悪と見、個人の蓄財を不道徳と見、金持ちになることを悪と見る間違った教えによって、経済が歪んでしまった。

累進課税制度は、共産主義制度である。

金持ちを悪と見る。一人だけ突出して金持ちになることを不道徳と見る。

聖書のどこにもそんな考えはない。

神の御心は、契約の民、神の投資に対して多くのものを返す人間に「偏在的に」富を分与することにある。

それによって、世界に神の御心が通用しやすくなる。

だから、祝福は、律法と連動しているのだ。

律法とは御心である。律法に従うことは、神の御心に従うことであり、神に対して多くのリターンをすることである。

サタンが作った共産主義では、リターンの受け手が、国家である。

我々がいくら祝福されても、祝福されればされるほど多くのものを国家が吸い取る。

だから、いつまでたっても御国が地上に実現しない。

この制度を続ければ、世界はどんどんサタン化する。

神は、御心を行う人々を祝福し、その子孫を通じて世界をエデンの園化しようとしておられる。

だから、我々の相続を国家に奪われてはならない。

格差社会に反対する戦後共産主義は、クリスチャンから富を奪い、そして、影響力を奪おうとしている。

神はこのような反キリスト的制度を呪われる。だから、この制度を温存しようとする今の政治が破綻するのは運命なのである。

このことに早く気づいた国は立ち直り、いつまでも盲目な国は衰退するしかない。

 

 

2008年9月3日

 

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