安定志向の人は安定を失う


https://www.youtube.com/watch?v=3oHsT2moznI

レースの賞金の80パーセントは馬主に行くそうです。

当然です。

馬主は、馬に投資し、育てる費用のすべてを負い、怪我や病気というリスクも背負う。

リスクを背負っている分、儲けも大きくなければ誰も馬主になろうと思わない。

株式投資も同じで、株価変動のリスクを負っているが、上昇すれば利益をとれる。

それをホリエモンへの批判が渦巻く中、「マネーゲームで楽をして稼ごうとした」と裁判官が言うのを聞いて、まったく見当はずれのことを言うなあと思った。

賞金の20パーセントの10パーセントは調教師、5パーセントは騎手、…に割り振られる。

いわばリスクが少ない人々には少ない割合の報酬しかない。

こういう利益配分でなければ、社会は、競争力を失う。

安定が得られる公務員のような職業の人に高い利益が配分されるような社会では、誰もリスクを負うことをしないため、革新的な技術が生まれず、社会構造も硬直化する。

リスクを取った人に高所得が約束されるような社会に対して、劣勢に回り、ついには敗北者となる。

ソ連がその典型。

「誰も失敗せず、みんなで安定した生活をしよう」とのスローガンのもと、生産者を限定し、競争を排除し、敗北者をゼロにした結果、国そのものが敗北した。

経済が立ち行かなくなった。

習近平が毛沢東時代への回帰を目指しているのは、自殺である。

株式投資に伴うリスクを軽減するために、政府が介入し、株式売却を禁止する。

最終的には、株式市場を廃止するのではとすら言われている。

中国が社会主義への道に逆戻りすればするほど、市場競争力を失っていくので、安全保障上、日本にとってはよい。

神は、われわれに「投資せよ」と言われた。「リスクを取れ」と。

「彼は自分の十人のしもべを呼んで、十ミナを与え、彼らに言った。『私が帰るまで、これで商売しなさい。』」(ルカ19・13)

安定を第一に選択し、与えられた1ミナをふろしきに包んでおいたしもべに対して厳しく叱責した。

「もうひとりが来て言った。『ご主人さま。さあ、ここにあなたの一ミナがございます。私はふろしきに包んでしまっておきました。
あなたは計算の細かい、きびしい方ですから、恐ろしゅうございました。あなたはお預けにならなかったものをも取り立て、お蒔きにならなかったものをも刈り取る方ですから。』
主人はそのしもべに言った。『悪いしもべだ。私はあなたのことばによって、あなたをさばこう。あなたは、私が預けなかったものを取り立て、蒔かなかったものを刈り取るきびしい人間だと知っていた、というのか。
だったら、なぜ私の金を銀行に預けておかなかったのか。そうすれば私は帰って来たときに、それを利息といっしょに受け取れたはずだ。』
そして、そばに立っていた者たちに言った。『その一ミナを彼から取り上げて、十ミナ持っている人にやりなさい。』」(ルカ19・20-24)

安定志向の人は、安定を失う。

 

 

2016年1月13日



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