キング・ジェームズ訳は「正統な」翻訳か?


キング・ジェームズ訳(欽定訳)の制作には、フランシス・ベーコンのフリーメイソン思想と、ジェームズ王の王権神授思想を支持するという務めが与えられていた。

Tony BushbyのThe Bible Fraudから引用:


サー・フランシス・ベーコン(1561〜1626)は、多才な人であり、法律家、言語学者、構成者であった。ベーコンは、学んだすべての学芸をマスターした。数学、幾何学、音楽、詩、絵画、天文学、古典演劇と詩、哲学、歴史、神学、建築。多くの目的と計画を持ち、近代科学を生み、現代法を再編し、現代の民主主義を支援し、そして、おそらくフリーメイソンを復活させた。人生と作品は広く文書に記録されており、その知的業績は特に学界において認められている。16 歳のときに、「女王の直接の命により」パリに派遣され、そこでエジプト、アラビア、インド、ギリシャの各思想を学んだ。古代神秘学とその儀式に特に関心を示した。

個人の記録によれば、パリに滞在中、秘密の暗号システムを開発した。これにより、疑いをもたれることなく、文書の中にメッセージを忍び込ませることができるようになった。ヨーロッパに住んでいた頃、フランシス ・ ベーコンは、テンプル騎士団という秘密結社に入会し、非常に特別な秘密を学んだ。ロンドンに戻る前に、フランス、イタリア、ドイツ、スペインを旅し、20 歳のときに法律の研究に専念することに決めた。テンプル騎士団への入会の際に学んだ極秘情報に基づいて、様々な秘密結社を復活させようと思い立ち、グレー・インにおいて、秘密結社・薔薇十字文学会を創立した。同年、公認もしくは思索的フリーメイソン(Free and Accepted or Speculative Masons)のロッジを設立した。

1607 年 6 月 25 日、サー ・ フランシス ・ ベーコンは、訟務局長と王室最高顧問に就任した。政府に、教会改革に関する新しいアイデアを提案したところ、聖書の再編を開始せよとの命令を受けた。

調査を通じて、大英博物館の記録室にある重要な訴訟に言及した原書が存在することが明らかになった。その訴訟は、サー ・ フランシス ・ ベーコンが旧約及び新約の両方の編集に関与していたことに関連していた。これらの文献によると、ベーコンは、新約聖書の翻訳者を自ら選別し、報酬を支払っていた。翻訳者たちは、ベーコンの旧友であるアンドリュー博士の指揮のもとで仕事を完成した。
英訳聖書の最初の草稿は、ベーコンの手もとに 1 年近く置かれた。その間に、

…ベーコンは、翻訳者の多様な文体を加工し、それに統一性とリズム、そして、シェークスピア散文が奏でる音色を追加し、序文を書き、欽定訳の全体図を作成した。

また、旧約と新約の両方に、暗号を通じて、秘密の情報を盛り込んだ。古代の文献によると、テンプル騎士団の入会者は、初期キリスト教の真の歴史を知らされた。それは、もともとテンプル団(ナザレ派)の大司教テオクレテスがヒュー・デ・ペインに明かし、パレスチナの数名の騎士たちが学んだものだった。

ベーコンが聖書に加えた数か月にわたる編集作業について、その伝記作家ウィリアム・T・スメドレーは、編集の程度についての次のように述べた。

最終的には、欽定訳聖書の全体構造はフランシス ・ ベーコンによるものであることが証明されるだろう。ベーコンは、聖書だけではなく、初期の写本についても熱心に研究し、聖アウグスティヌス、聖ジェロームと神学作品の著者について熱心に学んだ

編集の完了期に、サー ・ フランシス ・ ベーコンとジェームズ1世は、新しい聖書に関する編集問題に結着を付けるために、一連の会合を開いた。このときに、ジェームズ1世は、冒頭の数ページに「王に捧ぐ」の一文を入れるように指示した。さらに、王は、タイトルページに「教会において読むべし」との文句も入れることを望んだ。このメッセージを通じて、ジェームズ王は、「当時読まれていた多くのギリシャ語及びラテン語のウルガタ訳聖書ではなく、この翻訳聖書を使用せよ」と、自ら教会に「特別な命令」を与えたのである。
その理由は個人的なものであった。というのも、ジェームズ王は以前、翻訳者たちに、本文の再構築を通じて「王の立場が擁護される」ようにせよと指令を出していたからだ。

これは、プロテスタントの聖書をカトリックのそれから引き離す試みと見なされた。プロテスタント訳聖書は、カトリックのそれと比べると、7書分薄く、様々な教会が共同訳の聖書に異議を唱えてきた。

第1ペテロ2章13節において、翻訳者たちは、「主権者である皇帝」を「主権者である王」に変えた。

欽定訳聖書は、王の権威を支持するために作られたので、それ以降の教会はしばしば、それを「権威」からの聖書と呼んだ。そのため、それ以降、あたかも正式に「公認された」ものであるかのように扱われるようになった。

その後の改定訳において、「公認された」という言葉は、タイトルページに載り、さらに後になると、カバーに印刷されるようになった。ジェームズ王の新しい聖書は、間違った正統性の印象を帯びるようになった。
http://www.sirbacon.org/links/bible.html

キング・ジェームズ訳に、あたかも「正統な」翻訳であるとの印象が植えつけられたことこそ、悪魔の巧みな欺きであることを、われわれは肝に銘じなければならない。

 

 

2012年6月11日

 

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