聖書がエジプトの宗教の影響を受けたから人間の書に過ぎないという批判に対して
この類の議論の前提は、「聖書よりも古い時代の物語が聖書と類似」→「聖書が影響を受けた」という単純なものです。非常に素朴な議論です。
1.聖書よりも古いかどうかはわかりません。ルクソール神殿にイエスの誕生と近似した話が記され、その年代が3,500年前であったとしても、アブラハムは4000年前。アブラハムはイエスの誕生を約束されていたので、アブラハムの孫ヤコブがエジプトに行って、イエスの話を伝えた可能性もある。
2.エジプトの古代の物語とマリアの受胎物語が似ていたとしても、
(1)創世記は人類の罪が遺伝していると伝えているので、救い主が処女から生まれる必要性があるという思想は当然あった。
(2)ヨセフ(イムホテプ)は天文学の知識があったので彼の知識の影響をエジプト人が受けた可能性は否定できない。
そもそも、前提として、エジプトや他の古代宗教の洪水伝説や処女降誕、創造神話などが、聖書のそれと類似していたとしても、聖書によれば、最初に人類は一つの群れであったわけである。
そして、その時代に神から与えられた啓示が、バベルの塔で分裂した後も、各民族に独自に伝わっていれば、当然類似した話が世界各地にあるのは当然であろう。
2011年3月5日
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