「ダビデの幕屋の回復」について


「ダビデの幕屋の回復」とかいう運動があるそうだ。

知り得た範囲でコメントする。

ダビデの幕屋を回復するために、24時間の礼拝を体制化するそうだ。

なぜ幕屋を回復するかというと、神が終わりの時代に「ダビデの倒れている仮庵を起こす」(アモス書9章11節)と予言されているからと。

まず、イエスは「私は律法と預言者を成就するために来た」と言われた。

「律法と預言者」は「旧約聖書」を意味する。

旧約聖書はイエス・キリストの初臨において成就した。

だから、幕屋を回復する必要はない。

すでに幕屋はイエス・キリストの来臨とともに回復されているから。

旧約聖書において「終わりの時代」とは「旧約のシステムの終わりの時代」のこと、つまり、イエス・キリストが昇天され、再臨された紀元70年について述べている。

再臨が紀元70年にあった?と驚くかもしれない。

旧約聖書のヨエル書に、終わりの日は「主の大いなる恐るべき日」と表現されている。

「主の大いなる恐るべき日が来る前に、太陽はやみとなり、月は血に変わる。」(ヨエル2・31)

これは、使徒の時代、ペンテコステにおいて成就した。

「主の大いなる輝かしい日が来る前に、太陽はやみとなり、月は血に変わる。」(使徒の働き2・20)

「そこで、ペテロは十一人とともに立って、声を張り上げ、人々にはっきりとこう言った。「ユダヤの人々、ならびにエルサレムに住むすべての人々。あなたがたに知っていただきたいことがあります。どうか、私のことばに耳を貸してください。
今は朝の九時ですから、あなたがたの思っているようにこの人たちは酔っているのではありません。
これは、預言者ヨエルによって語られた事です。」(使徒の働き2・14-16)」

ペンテコステの出来事が、「預言者ヨエルによって語られた事」、つまり、ヨエルの預言の成就だと言っている。

イエス・キリストが紀元70年に再臨されて、イスラエルは回復した。だから、幕屋も回復した。

では、どのように?

クリスチャンの体として。

幕屋や神殿は御霊の住まうところ。

パウロは、クリスチャンの体を「聖霊の宮」と呼んだ。

「あなたがたのからだは、あなたがたのうちに住まれる、神から受けた聖霊の宮であり・・・」(1コリント6・19)

新約時代において、幕屋とは、聖霊を受けたクリスチャンの体である。

だから、今後、石造りの神殿や、木や布で作った幕屋は回復しない。

神殿や幕屋が回復したとして、それでは、動物犠牲の制度も回復するのだろうか。

それならば、イエス・キリストの犠牲はどうなるのか。

文字通りの神殿や幕屋の回復は、結局、イエス・キリストの御業を破壊することになるのだ。

 

 

2016年4月27日



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