左翼のいちゃもんに付き合わないこと
1.
まだ一般に知られていないけど、山口前同志社大学院教授によると、信用創造の80%強は民間銀行によって行われている。日銀の金融緩和によってただちに市中におカネが回るわけではない。企業が先行き不安から国内投資を控えて借り入れを控えたり、銀行が世間の緊縮ムードに押されて融資を渋ると、いくら日銀がおカネを出してもだぶついたおカネが海外に流れたりして国内の通貨流通量に影響しにくい。しかも、景気が悪いときは、企業は負債減らしに走るから市中に流れているおカネはどんどん減っていく。銀行に戻された信用創造されたおカネは文字通り「消える」ので通貨の総量も減り、デフレが悪化する。
2.
信用創造とは文字通り「無からおカネを生じさせること」。民間銀行には「信用創造によって作られたおカネを貸して金利を取る」という途方もない権利を与えられている(つまり銀行には神の地位が与えられている)。銀行は信用創造によって作られたおカネ(文字通りあぶく銭)を貸しているのであって、われわれが貯蓄したおカネ(実体のあるおカネ)を貸しているわけではない。その信用創造されたおカネが返済されると、それは消える。金利だけが手元に残るシステム。日本は、バブル崩壊時の処理に失敗した。不良債権は「信用創造されたおカネが戻って来なかった」というだけで「実体のあるおカネが消えたわけではない」。日銀が金融緩和し、そのおカネを不良債権処理に回せば、デフレは起きなかった。あぶく銭と実体のあるおカネを混同した結果が「失われた20年」。
3.
Y染色体を天皇の男性継承の根拠にすると、きまって「Y遺伝子ではなくY染色体だ」とか「Y染色体も変異する」とか言っていちゃもんをつけてくる奴が現れるが、Y遺伝子とはY染色体上にある遺伝にかかわる塩基配列を指すので議論に実質的影響はないし、英語の文献でもY genesという言い方がある。「Y染色体の変異」は「修復」のために起きるので、Y染色体そのものが「変異しにくい」という事実を否定するものではない。こういうくだらないいちゃもんは、左翼の常套手段だから真に受けないようにしよう。
2019年5月30日
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