われわれの間から天才が出るだろう
ブラジルのサッカーを見ていて思うのは、「選手層と歴史が違うと、出てくる若手が違うなあ」ということだ。
日本もJリーグが20年目を迎えたが、かなり世界で通用する選手が出始めている。
しかし、フランス大会のときには、世界との差はあまりにも大きかった。
クリスチャンの世界も同じであり、クリスチャンの数と歴史が違うと出てくる若手も違う。
残念なことに、世界でまともなキリスト教はやっと始まったばかりだ。
恐ろしいことだが事実だ。
たしかに、カルヴァンからウェストミンスター信仰告白に至る改革派の流れの中からヴァン・ティル、ドーイウェールトという天才が現れ、R・J・ラッシュドゥーニー、ゲイリー・ノースという巨人が現れた。
しかし、R・J・ラッシュドゥーニーが聖書法綱要を出版したのが1973年である。
最近のことだ。
これが真の意味で、キリスト教の出発点だと思う。
ウェストミンスター信仰告白も素晴らしいが、しかし、オリエンテーションが弱い。
「人生の目的は何か?神さまをほめたたえ、神さまを永遠に喜ぶことである。」
たしかにそうなのだ。
だが、これでは思想としては弱い。
人生の目的は、神のために地球を支配することだ。
つまり「地を従えよ」(創世記1・18)との命令を成就することだ。
こういう明確な目標を持つことなしに、まともな思想運動にはならない。
会社をはじめ、組織において、現状維持は許されない。
会社が生き残るためには、業績を向上させ続けなければならない。
現状維持は後退を意味する。
積極的な言葉、上昇志向。こういう言葉を語りかけることができるのが本当のリーダーである。
キリスト教にはたしてこういうリーダーがいただろうか。
たしかに、イエズス会には、そういう「戦闘モード」がある。
しかし、イエズス会は、誰のために戦ったかというと、イエスのためではなく、教皇のためだ。
しかも、創設者イグナチウス・デ・ロヨラはアランブラドスというグノーシスの秘密結社出身。
後にビルダーバーグ会議の創立者を出したほど、イルミナティやフリーメイソンとのつながりが強く疑われる団体になった。
彼らの日本宣教とは、日本をカトリックの勢力範囲に入れるためだった。
伝道のためではない。
では、今のディスペンセーショナリストの教会が世界に送り込んでいる宣教師は御国のために活動しているだろうか。
ノーだ。
なぜならば、ディスペンセーショナリズムの教会が増えれば増えるほど、地上をあきらめる人々が増え、サタンが働きやすくなるからだ。
ディスペンセーショナリストたちは、神から「地を従えよ」と命令されているのに、「嫌です。この地上に期待は一切しません。あなたが送ってくださるイエス・キリストが来られるまで、地を従える働きは無駄になりますから」と言っている人々だ。
神の御心を行わない宣教師など宣教師ではない。
その宣教師が作った教会など教会ではない。
だから、正直言って、キリスト教には蓄積がないのだ。
ブラジル・サッカーには蓄積がある。その中から偉大な選手が生れた。
先日行われた日本との試合に出てきたネイマールのような化け物は、ブラジル・サッカーを支える無数の人々と長い歴史の賜物である。
しかし、キリスト教はたしかに2000年の歴史を持つが、正しい教え、しっかりとした思想的運動としての土台ができたのは、つい40年前のことだ。
それまで神はなぜ歴史を長引かせたのか、というだろうか。
それは、「人間の愚かさを示すため」である。
人間が独自に作りだしたものがどのような結果を生むかを見せたのだ。
特に、デカルト―カント―ヘーゲル―マルクス―レーニン―スターリン―毛沢東
この啓蒙主義ラインを通じて何億人が虐殺されただろうか。
人間が聖書ではなく、己の理性という光に頼って作った文明がどのような結果を生んだだろうか。
そろそろ出尽くした。
それで、神はキリスト教の奥の手を出された。
ヴァン・ティル―R・J・ラッシュドゥーニーである。
今は、世界の歴史の中できわめて重要な時期である。
それは、麦も毒麦もはっきりとした実を結んだ時期だ。
これまではあいまいだったものが、実は悪魔だった、もしくは、神だった、と分かる時期だ。
このような物事が容易に判別できるまで神は待っておられたのだ。
さあ、これからはこれまでの時代とは違う。
敵と味方の区別が容易になった。
今後、神の側につく人々は、一切の妥協を捨てて、聖書信仰に立つようにしていただきたい。
そして、聖書は聖書、学問は学問というような聖書の権威を限定するような動きを捨てて、聖書をすべての判断の最終権威とするべきだ。
そのようなしっかりとした土台を築きあげたときに、神はわれわれの子孫から天才を起こされ、世界を神の国が覆い、席巻するまで活動をするだろう。
まだまだわれわれは歴史が浅い。
しかし、われわれの仲間はどんどん増えて、一大勢力になるだろう。
2013年3月9日
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