神学校の問題3 by ゲイリー・ノース


奉仕を通じての伝道

「それから、彼は立って、エリヤについて行って、彼に仕えた。」

牧師の特徴は、人に仕えることである。牧師は、まず他の牧師に仕える。これは助祭のモデルである。牧師は、神の人々に忙しく仕える神の代理者を見つけ、その代理者に随行する。彼は、徒弟になる。

「徒弟制度は、神のモデルである。 」これこそが、なぜ現代社会が徒弟制度を敵視するかの理由である。悪魔の制度は、委員会による認定のそれであり、師匠の技術を真似ることでは無い。

悪魔の団体の制度は、トップダウンであり、できるだけ非人格的であろうとする。サタンのシステムは、(特に進化論以降)非人格的宇宙と言う概念に依存している。

それに対して、神のシステムは、人格的宇宙と言う概念、すなわち、三位一体の人格的な神が絶対主権を有するという考えに依存している。

経済学者であり、社会哲学者であったF・A・ハイエクは40年以上にわたって「自由市場が与える知識は、中央企画委員会が与える知識よりも正確であり、包括的である」と論じてきた。

ハイエクは、その後半のキャリアを「トップダウンの官僚制度は経済的生産の組織化の方法としてふさわしくない」との見解を伝えるために費やした。

ハイエクによれば、現実世界の知識は複雑であり、マニュアルに書きしるしたり、期末ごとにチェックしたりできるようなものではない。

この論が正しいかどうか判別するには、靴紐を結ぶ手順をマニュアルに書き記せばいい。その次に、この手順を誰かに口頭で伝える。こちらの詳細な指示に従うことによって、その人が靴ひもを早く結ぶことができるようになれば、マニュアルよりも口頭での指示のほうが効果的であることが証明される。

さらに面白くするために、もし自分が右利きであるならば、左利きの人のための方法を書き記してもよい。

靴紐を結ぶのに徒弟制度が必要であるならば、教会を立ち上げ、運営する方法についてはどうだろうか。

医者は、インターンの過程を通過しなければならない。これは当然のことである。 (この制度は病院に貢献している。これこそがなぜ、医学校の認定制度が生み出す医者の供給量を制限することに彼らが同意するかの理由である。) 

官僚制度の中で訓練された新参者は、 オンザジョブ・トレーニングを受ける。医者が教室で学ぶことと、病院で日々直面する出来事の間には、少なくともわずかな関連性がある。

しかし、神学生の場合は、事情は全く異なる。神学生たちは、MBAの学位を持つ人々が実際のビジネスの世界で直面するのと同じくらい異質な問題に、福音伝道の日常において直面する。いや、その異質性は、ビジネスの世界よりもはるかに大きいかもしれない。

一例をあげよう。神学生に説教を準備するように課題が与えられるとする。彼は神学校の生活の中で何度かこの課題を与えられるが、一つ一つの説教の組み立てに20時間かける。

牧師になったら一回の説教に2時間以上準備の時間をかけないほうがいいとと教えてくれる人は誰もいない。また、牧会生活の初めに、少なくとも50回分の説教をストックしておくべきである、と教えてくれる人もいない。

教会の予算について教えてくれる人は誰もいない。集会のメンバーの女性と結婚する場合は、その集会を去る必要がある、と教えてくれる人も誰もいない。

というのも、その集会には「あの牧師は私の娘デビーよりもあの女性の方がいいと考えているの?それなら本当かどうかじっくり見てみましょうよ!」とつぶやく母親がたくさんいるからである。

牧師は、シュライエルマッハーが間違っていたことに気づくだろう。

結論

教会は奇妙な事を行ってきた。将来の牧師を訓練するために神学者を採用してきた。

神学者は神学者を訓練すべきである。牧師は牧師を訓練すべきである。

これはあまりにも明白な真理であるため、このことを理解できないのは神学者だけである。


実際のところ、教派は「神学大学院にお金を投資すべきではない」と思っている。これは間違った考え方である。

教派は「神学校こそ投資に値する」と考えている。これも間違った考えである。

教派は、一石二鳥を狙っているのである。牧師を訓練するために、神学校を設立している。それにより、どちらの鳥も殺されている。

教派の運命は、(何らかの方法で神学の教授たちを正統派にとどめることにより) 縮小するか、リベラル化して3世代後に縮小するかのどちらかである。

エルサレムの教会は一日につき3,000人増加した(使徒の働き2・41)。牧師たちはどの神学校に通ったのであろうか。

今日、 50億人の人々が、福音を聞いて、神の教会に加わる必要がある。

今後70年の間にその99%の人々が地獄に行くことを望むのであれば、方法は簡単である。すべての牧師に対して、3年間の神学校教育を受けて学位を取ることを求めなさい。

 

 

2016年7月6日



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