政府の借金とは借金ではない
「世界で最も多額の債務を負った日本政府の、世界一の低金利で資金を賄い続ける能力が脅かされている。」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1705W_X10C13A4000000/
日本政府が世界で最も多額の債務を負っているというのは、当然である。
世界で最も経済活動の規模が大きいからである。
日銀は、お金を作るために、国債を引き受ける。
銀行が持っている国債を買って、お金を払う。このお金がもとになって、銀行が信用創造を行い、市場にお金が流れる。
経済成長が続いているのに、お金を作らないとデフレになる。
体が大人になっているのに、造血能力が子供のままなら、貧血を起こしてしまうのと同じである。
お金を作って、市場に流すには、国債を発行するしかない。
だから、政府の借金の実体とは、「経済活動の規模増大とともに増えるお金の供給」なのだ。
この日経の記者をはじめマスコミは、そのことを知らないのだろう。
それで「借金が大変だ」と騒ぐのである。
お金を作れる国の経済と、一般家計とを混同しては絶対にならない。
「じゃあ、なぜ日銀は、国債と引き換えにでなければお金を刷らないのか?無からなぜ作らないのか?」との疑問が起きる。
おそらく「税金って不要なんじゃないの?」という疑問を封じるためではないか。
国(そして銀行)に無から有を創造する権利があるということは、結局、税金など取らなくても、政府はやっていけるということである。
不換紙幣とは、間接的かつ秘密裡の国民からの徴税である。
その事実を知られると、この中央銀行制度そのものに対する不信が起きるから、国債と交換で発行するという形を取っているのではないだろうか。
とにかくこの摩訶不思議なシステムを理解しないと、われわれは根本的に問題を理解し誤るということになる。
2013年5月31日
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