エゴイズムは社会と自分を破壊する



それから人々にたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作であった。
そこで彼は、心の中でこう言いながら考えた。『どうしよう。作物をたくわえておく場所がない。』
そして言った。『こうしよう。あの倉を取りこわして、もっと大きいのを建て、穀物や財産はみなそこにしまっておこう。
そして、自分のたましいにこう言おう。「たましいよ。これから先何年分もいっぱい物がためられた。さあ、安心して、食べて、飲んで、楽しめ。」』
しかし神は彼に言われた。『愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』
自分のためにたくわえても、神の前に富まない者はこのとおりです。」(ルカ12・16-21)

(1)
小さい政府への訴えがなぜ起きないのか、非常に不思議だ。

消費税の問題などは、つきつめて言うと、福祉国家を存続させるにはどうしたらよいかという問題である。

福祉国家は、絵に描いた餅であり、諦めるのが早ければ早いほどいい。

それくらい国家にとって有害な制度なのだ。

なぜ福祉国家を捨てられないのか。

利権が生まれやすいからだ。

聖書が命じるように、税率を総額で10パーセント未満にすれば、利権など生まれない。

税金をたくさん取れば取るほど、利権のチャンスが生まれる。

政治家と官僚がこのシステムを手放すはずはないのだ。

政治家と官僚が作ったこの体制のもとで、マスコミはけっして小さな政府にしようとは言わない。

マスコミもその利権の中に入っているからだ。

こうやって福祉国家は鉄壁のガードのもとにあり、それを維持するための重税はますます国民を疲弊させていく。

イスラエルが分裂したのは、重税が原因であった。

ソロモンが神殿建設など大きな事業をやり、人民に重税と賦役を課したため、人民は疲弊していた。

そこで、次の王レハベアムに減税を求めたが、逆にさらに重い税が課せられた。

北イスラエルが謀反を起こした。

結局、目先の利益のために、長期的な利益を失ってしまった。

重税は、国家の衰退の第一歩である。

国民が豊かにならないような政府は不要である。

それは、神からの負託にこたえていない。

だから、神の裁きが下る。神は、レハベアムのような人民を苦しめる為政者を裁かれる。

(2)
今、いつのまにか、増税することで議論が進んでいる。

いつのまに増税になった?

国民は騙されてはならない。

財務省は、野田で失敗しても、次の自民党政権において実行をたくらんでいる。

私は、今の日本に必要なのは、減税をして、国民にお金をいきわたらせて消費を刺激することだと思う。

社会保障が不備だから、お金を手に入れても貯蓄に回す?

たぶん。

しかし、板垣氏によると、このあいだのビルダーバーグ会議で、「いかに日本から絞り取るか」について話し合われたそうだ。

このままなら、貯蓄しても、アメリカにもっていかれるだけだ。

(3)
水と同じで、お金は貯めると腐敗する。

いつも循環させてこそ健全になる。

人間は労働するために命を与えられているのだから、仕事につながらない貯蓄はきわめて不健全である。

自分の世代だけに関心を持ち、次の世代の雇用や経済の発展のためにお金を使わないで貯めておくならば、呪われるだろう。

しかも、貯蓄の実質的価値を高めるためにデフレのままでいいと考えて、日銀の紙幣発行を妨害するならば、なおさら呪いをかぶる。

エゴイズムは社会を破壊するだけではなく、呪われることによって、自分の資産をも失うことになる。

 

 

2012年6月12日