どちらが勝つかは歴史が証明するだろう
神の言葉の全体を忠実に伝えるという使命を捨てる教会は、力を失い、耳を傾ける人々をも失う。
―R・J・ラッシュドゥーニー
1.
教会で牧師補として働いていたときに、主任牧師はT師と私に対して「人の救いが必要な日本において、聖書に立つ政治とか経済とかを研究している君たちには不信感を覚える」という趣旨のことを言われたので、私は教会を去ることに決めた。
牧師や伝道師は、神の御心を知り、それを伝えることが本業である。
それを禁止されたら辞めるしかない。
退職後、一時期、別の理由でその教会を辞めたI師といっしょに伝道活動をやっていた。
彼は、ウェストミンスター神学校の卒業生であり、再建主義のシンパを自称していた。
私が主任牧師からこういうことを言われて辞めたと言うと、自分も同じ意見だというので、彼とも別れた。
次の二つの命題は、対立しているだろうか。
1.日本人は伝道によって救われなければならない。
2.聖書的な政治や経済について研究することは必要である。
伝道とは単に福音を伝えることではない。
それは、大宣教命令から明らかである。
イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。「わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。
それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、
また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイ28・18-20)
「わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい」
伝道とは、単に天国に行くための切符を提供することだけではなく、聖書に記されている命令を守るように指導することも含まれる。
聖書全体の教えを過不足なく伝え、指導すべきである。
聖書的な政治や経済を研究することのどこに違法性があるのだろうか。
2.
ディスペンセーショナリズムに汚染されている福音派の教会は「この世のことは、過ぎ去る。われわれは天国だけを目指すべきだ」と教えているが、それは、重大な命令違反である。
聖書の基本命令は「地を従えよ」である。
この地上を神の国と変えることがクリスチャンに求められているのに、「そんなことはわれわれの務めではない。一人でも多くの人を救いに導くだけでいい」と唱えている。
私は、聖書の一部だけを切り取る、このような異端的な考え方のグループといっしょに活動できない。
福音派と再建主義。
どちらが勝つかは、歴史が証明するだろう。
2018年3月31日
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