アルミニウス主義の起源
今日のほとんどすべての教会を支配しているアルミニウス主義という異端の起源は、イエズス会にある。
アルミニウス主義は、実質的に、ルイス・デ・モリナというイエズス会の司祭が作り上げた。
デ・モリナは、救いは神によって予定されていると信じるが、同時に、人間は救いを選択する自由意思を持つと述べた。
この教えを、一般にモリニズムという。
マイケル・バンカーは、ローマ・カトリックの自由意志という偽教理がプロテスタントの教会に広がった背景をこう説明している。
アムステルダムにおいて、ディルク・コーンハートという名のある金持ちの商人が「反宗教改革運動」を開始した。
コーンハートは、オランダのヒューマニストであり、カトリックのヒューマニスト・エラスムスとスペインのイエズス会士ルイス・デ・モリナの教えで理論武装していた。
恩寵に関する宗教改革者の教えを否定し、宗教改革者と出会うたびに議論をふっかけた。
自由意志と予定に関するデ・モリナの教えを熱情をもって学んだ。
イエズス会士たちは、議論に勝つための秀逸な方法を編み出した。
つまり「どちらも正しい。真の至高者にして善なる神は、被造物に、救われるための自由意志を与えられたのだろう」と。
ルイス・デ・モリナは、最終的に「メディア・サイエンティア」または「中間の知識」と呼ばれることになるある教義を作りつつあった。
この異端は、結局、モリニズムと呼ばれるようになった。
『信仰のための戦い』という題名のルイス・デ・モリナに関する論文において、ベルナルド・ウーデンベルク師は、デ・モリナについてこう述べた。
「ローマ・カトリックとして、彼は、トマス・アキナスの神学を尊重し、それを最高の神学として受け入れなければならなかったが、同時に、イエズス会士として、拡大しつつあるカルヴァン主義の影響に対して教皇を守るために専心していた。
メディア・サイエンティアまたは中間の知識という、彼のオリジナルの非常に影響力のある概念を提示することによって、これらの間でかじ取りをし始めた。
その提示の中で、次のように述べた。
「神が宇宙の中に植え付けられた因果関係の知識と、御心のことを御心の時に行う自由を保持されるという神の自由に関する知識との間には、神が人間に与えられた中間の知識の領域がある。
この領域において、人間は、自分が選択するすべてのことを、どのような種類の外部からの必要性や予定にも邪魔されずに行う自由がある。」
神はモーセに、「わたしは自分のあわれむ者をあわれみ、自分のいつくしむ者をいつくしむ」と言われました。
したがって、事は人間の願いや努力によるのではなく、あわれんでくださる神によるのです。
聖書はパロに、「わたしがあなたを立てたのは、あなたにおいてわたしの力を示し、わたしの名を全世界に告げ知らせるためである」と言っています。
こういうわけで、神は、人をみこころのままにあわれみ、またみこころのままにかたくなにされるのです。(ローマ9・15-18)
2015年5月21日
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