相場と商売人は神の国の重要な要素である


1.

私は、共産主義の影響を強く受けた世代なので、「統制経済」を評価する傾向がある。

しかし、神の御心は「自由主義経済」である。

自由主義経済は、「モノの値段は需要と供給で変動する」というものである。

それゆえ、価格チャートは、自由主義経済の象徴的な存在であり、それゆえ、神が是認されているものである。

価格チャートを見るにつけ、市場の不思議を感じざるをえない。

たとえば、株価は、自由に動いているように見えて、法則性がある。

しかし、その法則性が「予測可能なように」適用されることはまずない。

常に、人々の予想を裏切る。

1分先の展開が確実に予想できれば、大金持ちになれる。

相場の予想コンクールで、50万円を1000万にして優勝したある人は、「私は価格の予想は諦めています」と言った。

どんなに研究しても、予想したとおりには動かないという。

そこで、その人は、ある方法論を編み出して、その方法を忠実に実行することによって相場に勝てるようになったという。

有名なBNF氏は、バイトで貯めた120万を株の取引で200億にした。

天才としか言いようがない。

市場での価格変動をある人は「神の見えざる手」と呼ぶ。

このような需要と供給で決定される価格変動に対して「人為的な操作の必要性」を主張する人は、共産主義者であり、サタニストである。

福祉国家の根底には「神の決定よりも人為的な操作のほうがいい」という思想がある。

何年か前に「マネーゲームで簡単にお金を手に入れようとする」と相場師を糾弾した裁判官がいた。

相場を罪悪視し、安く買って高く売ることを悪とみなすのは、商売の否定、市場経済の否定であり、それゆえ、自由な社会の破壊者である。

神がわれわれをこの地上に置いたのは「先行きどうなるかわからない世界の中で、果敢にリスクを背負い、挑戦するため」であり、安全・安心・安定を第一に求めさせるためではない。

予測が難しい変動する価格と果敢に向き合う社会こそが、われわれに本当の自由を与える。

「価格変動をなくしてしまえ」「暴落を防ぐために、株式を売ることを制限する」と主張するのは、中国のような国家主義者であり、表面的には国民のことを考えているようで、実際は、国家の管理権を肥大化させる独裁者である。

2.

日教組に教育され、商売人の家庭に育たなかった私は、総合商社に勤務し、日々変動する鋼材の価格と向き合ったときに、はじめて世の中の現実を知った。

新日鉄や川鉄、住金に出向いていって、メーカー価格と納期を出してもらう。

それにマージンを乗せて、海外のバイヤーにオファーする。

バイヤーはもっとも安く、納期が早い売り先に注文を返す。

この商売の基本動作こそが、自由市場を支える土台である。

共産主義者は、これを罪悪視する。

「必要な人に必要なだけ、可能な金額で」というのが彼らの理想だ。

「需要と供給で価格が決まると、貧困者は買えなくなる。国家が価格を統制して、彼らに安く提供すべきだ」と。

日教組に教育された私もこの理想に共感していた。

自由市場経済では、メーカーに安く値段を出してもらい、マージンをできるだけ大きく乗せられる者が優秀な商売人だが、共産主義者はこれを「貪欲」と見る。

私も同じように考えていた。

価値観が転倒していた。

左翼は、今でもこの転倒した価値観を持ち続けている。

学生時代に付き合いのあった左翼の人々は、私が商社に就職したのを「堕落」と見た。

違う!!

必要な人々に、必要なものを届けるには、「マージンで儲けよう」とする商売人が必要なのだ。

商売人は、社会の血液である。

メーカーと消費者を結ぶ人々のおかげで社会は円滑に回る。

需要と供給で変動する価格と、それを利用してお金を稼ごうとする商売人は、神の国を支える重要な要素である。

 

 

2018年7月29日



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