「ダビデの幕屋の回復」について4
「イエス・キリストは旧約聖書を全部成就した」ということがわからないと、「再臨」が必要になる。
つまり「旧約聖書の預言は成就していないものがある」となれば、誰かが成就しなければならなくなるから。
ユダヤ人は、「初臨のイエスがメシア?違う。いまだにわれわれは世界をさまよう民ではないか。国がない。こんなので千年王国が到来したなんて嘘だ!」という。
ジョン・ダービーは、「今日の教会の堕落ぶりを見ると、どうしてもこの世界が千年王国には見えない。新しい画期的な出来事が必要だ」と考えた。
彼らの決定的なミスは次のとおり:
1.イエスの言葉の無視
イエスは「わたしは律法と預言者を成就するために来た」と言われ、十字架上で「完了した」と述べられた。
つまり、旧約聖書は成就したのだ。
2.法的成就と実際的成就を混同している
イエスが紀元1世紀において世界の王となられたのは、法的である。歴史の進展とともに、この法的王国は、実際的王国になる。
イエスが「天地における一切の権威が与えられた」と宣言されたのは、「法的に世界はイエスの王国となった」という宣言である。
これは、アパートを購入し、所有権を得た状態にたとえられる。
しかし、まだ住民が何世帯か残っていて、立ち退きを拒否しているので、実際的には所有していない。
法的権利はあるが、実際的には所有していない状態。これが、イエスにとって千年王国の現状である。
われわれクリスチャンの使命とは、法的権利のある世界を「伝道と教育を通じて」実際的に支配することにある。
キリスト以降の世界の歴史の意味とは、この「実際的所有権の拡大」にある。
ユダヤ人もダービーも、「現状を見て約束を無視した」ので、「新しい出来事」が必要になったのだ。
ユダヤ人はシオニズムを作って、世界を動かし、イスラエル国を建国しようとしている。
ダービーはディスペンセーショナリズムを通じて、「再臨のイエスによる解決」を模索した。
この世界を「イエスが成就に失敗した世界」とみるところが、根本的な間違いである。
紀元70年にイエスは御国を法的に完成し、あとは、サタンを地上から追い出す掃討作戦が進展している、と見ない限り、誤謬から離れることはできないだろう。
2016年4月28日
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