最後に笑うのは日本だ2


(1)
サブプライムローンに続くリーマンショックで世界の経済がガラガラ音を立てて崩壊したとき、僕は、「これで日本の一人勝ちだ」と思った。

しかし、蓋を開けてみると、株価の下落が一番ひどかったのは日本だった。

どうして?

おそらく、米国の企業が資金調達のために、90年代のバブル崩壊後に安値で買い叩いた日本株を売ったからだろう。

日本が米国やEUといっしょになってリーマン詐欺に巻き込まれたわけではなかった。

このあたりのことを誤解すると、日本も米国やEUとともに没落してしまう、と考えるから注意が必要だ。

日本は、バブルのときの経験から、サブプライムの住宅ローン債権という毒入り証券には手を出さなかったのだ。

ヨーロッパは、「時代は金融だ」とばかりに手を出して致命的な打撃を蒙った。

バブルが起きたときは、世界は日本をあざ笑っていた。

日本人も、「なぜうちだけ?」と嘆いた。

しかし、今になって思えば、あの体験のおかげで今救われたのだ。

つまり、世界の諸国は、予防接種していなかったが、日本はしていたということ。

だから、本格的な伝染病の流行の中で一人生き残ったということなのだ。

だから90年代から2000年代の時期を、「失われた20年」と呼ぶべきではない。

あれは、日本に免疫をつけさせる時期だったのだ。

一人だけぴんぴんしているので、世界が没落した今、救世主の役割を果たしている。

IMFに10兆円融資。それでどれだけの国が救われ、世界大恐慌を防ぐことができたか!

原爆のときもそうだが、日本は他国を救うために犠牲となる国なのかもしれない。

世界の人々にアンケートを取ると、「日本の原爆体験が世界の核兵器使用を思い留まらせている」という結果がでる。

(2)
今後、中国がバブル崩壊して米国やEUを追従するだろうが、そうしたら文字通り日本だけが残る。

なぜならば純輸出依存度が1.6%しかないからだ。

内需でやっていけるレベルなので。

韓国とかシンガポールも中国とともに駄目になるだろう。

日本一人がちな状況になったら、円を基準通貨にしよう。

日本が実質的に世界の覇権を取る。

それが世界にとってもっともよい選択だろう。

元になどなったら大変なことになる。世界は地獄になる。

(3)
リーマンショック以降、日本に広がる悲観論は、理由がない。

「日本は大借金をかかえている」は嘘。

あれは国の借金ではなく、政府の借金。

対外的な借金はない。270兆という世界ダントツ圧倒的な黒字。

政府が国債を発行して銀行に買ってもらっているのは、政府がどうしようもなくなっているというより、デフレで銀行が貸し出し先がないため。

だから、政府が銀行を救済している側面が強い。

たとえて言えば、自分の奥さんがアルバイトでサラ金をやっているが、借りる人がいないため夫が借りてあげているようなもの。

金利は奥さんへのお小遣いみたいなもの。いつまでも借りる人がいないため、夫も、「もう俺はやばい。破産だよ。これ以上お前から借りられないよ」といえば、「じゃあ、チャラにしましょう」という話になる。

つまり、いざとなったら国が「銀行に対して」デフォルトしてもいい。

なぜならば、国の借金は救済目的であって、それによって銀行は助けられてきたからだ。

日本の借金とは、いわば家庭内問題であって、よそから借金の取立てがやってくることもない。

(4)
日本没落論は、イメージなのだ。

敵は、イメージ戦略で日本人を落ち込ませようとしている。

日本は、世界で唯一残る国になり、世界を救う働きをするだろう。

日本が覇権国になるのも近い。

 

 

2011年1月15日