聖書的キリスト教は私有財産権を保障する


神は、ひとりの人からすべての国の人々を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに決められた時代と、その住まいの境界とをお定めになりました。(使徒の働き17・26)

神は「すべての国の人々」を創造され、それぞれに「住まいの境界」を定められた。

「国」と「境界」を取り去るグローバリズムの試みは反聖書的である。

あなたの神、主があなたに与えて所有させようとしておられる地のうち、あなたの受け継ぐ相続地で、あなたは、先代の人々の定めた隣人との地境を移してはならない。
「隣人の地境を移す者はのろわれる。」民はみな、アーメンと言いなさい。(申命記19・14、27・17)

神が定めた「地境」を移すことが禁止されている。

不動産を含め、個人の私有財産権が保証されている。

盗んではならない。(出エジプト記20・15)

暴力や不正な手段で、他人の財産を奪ってはならない。

それがたとえ王であっても。

アハブ王は、イズレエル人ナボテの土地を欲しがった。

このことがあって後のこと。イズレエル人ナボテはイズレエルにぶどう畑を持っていた。それはサマリヤの王アハブの宮殿のそばにあった。
アハブはナボテに次のように言って頼んだ。「あなたのぶどう畑を私に譲ってもらいたい。あれは私の家のすぐ隣にあるので、私の野菜畑にしたいのだが。その代わりに、あれよりもっと良いぶどう畑をあげよう。もしあなたがそれでよいと思うなら、それ相当の代価を銀で支払おう。」
ナボテはアハブに言った。「主によって、私には、ありえないことです。私の先祖のゆずりの地をあなたに与えるとは。」
アハブは不きげんになり、激しく怒りながら、自分の家に入った。イズレエル人ナボテが彼に、「私の先祖のゆずりの地をあなたに譲れません」と言ったからである。彼は寝台に横になり、顔をそむけて食事もしようとはしなかった。(1列王記21・1-4)

ナボテは、神の法を守り「先祖のゆずりの土地を渡せない」と断った。

王の妻イゼベルが奸計をたくらみ、ナボテを殺して土地を奪って王に与えた。

そこに、ふたりのよこしまな者が入って来て、彼の前にすわった。よこしまな者たちは民の前で、ナボテが神と王をのろった、と言って証言した。そこで人々は彼を町の外に引き出し、石打ちにして殺した。
こうして、彼らはイゼベルに、「ナボテは石打ちにされて殺された」と言ってよこした。
イゼベルはナボテが石打ちにされて殺されたことを聞くとすぐ、アハブに言った。「起きて、イズレエル人ナボテが、あなたに売ることを拒んだあのぶどう畑を取り上げなさい。もうナボテは生きていません。死んだのです。」
アハブはナボテが死んだと聞いてすぐ、立って、イズレエル人ナボテのぶどう畑を取り上げようと下って行った。

神は預言者エリヤを使わして、王に死刑宣告をされた。

そのとき、ティシュベ人エリヤに次のような主のことばがあった。
「さあ、サマリヤにいるイスラエルの王アハブに会いに下って行け。今、彼はナボテのぶどう畑を取り上げようと、そこに下って来ている。
彼にこう言え。『主はこう仰せられる。あなたはよくも人殺しをして、取り上げたものだ。』また、彼に言え。『主はこう仰せられる。犬どもがナボテの血をなめたその場所で、その犬どもがまた、あなたの血をなめる。』」(1列王記21・13-19)

預言は成就した。

その日、戦いはますます激しくなった。王はアラムに向かって、戦車の中に立っていたが、夕方になって死んだ。傷から出た血は戦車のくぼみに流れた。

それから、戦車をサマリヤの池で洗った。すると、犬が彼の血をなめ、遊女たちがそこで身を洗った。主が語られたことばのとおりであった。(1列王記22・35,38)

暴力によって他人の土地を奪った王は、暴力によって報いられた。

神の法を守る者に対する攻撃は、それと同じ方法によって報いられる。

聖書が一貫して主張しているのは、私有財産権の保護である。

私有財産は神が与えられたものであり、神の許可なくそれを奪うことはできない。

その権利は、国家であろうと奪うことができない。

共産主義国のように私有財産権を否定するような国家は、アハブと同じ罪を犯している。

国境も、一種の私有財産を定めた境界である。

国家が神が定められた法を遵守し、正しく統治している場合、その国境を侵す国は、私有財産権の侵害であり、滅亡の憂き目にあう。

ただし、もし国が国民を抑圧し、著しく不正を働くならば、神がその国境を無意味なものにされる。

共産主義は、グローバリズムの思想であり、国民国家を否定し、国境を撤廃しようとする。

それゆえ、神の呪いを受けるので、共産主義国は、早晩崩壊する。

 

 

2018年5月4日



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