時代はポスト・ミレ神学を選択するだろう


1.

「自然だけでいい。人間の業はいらない」という考えは聖書的ではない。

聖書は、6プラス1の原理を教えている。

つまり、「6日働いて1日休む」というリズムによって世界は運営できる。

これは、神の創造のパターンである。

神ご自身が6日働いて1日休まれた。

神は疲れることがないお方なので、これは人間に模範を示すためである。

人間にゆだねられた創造世界の発展の使命は、6日の労働を通して実現する。

そのため最近流行の「自然に委ねるだけでいい。人間が手をつけるとだめになる」という考えは反聖書的である。

イルミナティは「母なる大地」の思想のもと「人間がいるから自然がだめになっている。人間を減らせ」と唱える。

背後に人殺しのサタンがいる。

いわゆる「自然〇〇」と呼ばれるものは、それゆえ、悪魔の計画が潜んでいる。

だからといって、無制限に人工肥料、人工添加物、遺伝子組み換え作物がいいと言っているわけではない。

しかし「あらゆる人為的なものに対する拒絶」は聖書的ではない。

たとえば、「医療不要論」や「完全自然農法」「原生林賛美」「アーミッシュ」などは非聖書的である。

自然は人間の管理を必要としている。

人体は人間により発展した技術を利用した治療を必要としている。

薬は必要である。

なぜならば、自然は堕落し、病んでいるからである。

アダムの堕落と同時に自然は異常になった。

人体は病気にかかるようになった。

自然は創造時とはまったく異なる状態に落ちた。

この異常を正常化する使命が人間に与えられた。

人間は、自然を元通りに復活させ、さらに発展させる使命を帯びている。

それゆえ、文明の発展は人間に与えられた主要な任務である。

ヒッピーなどの反文明運動は、非聖書的であり、背後に悪魔の導きがある。

ロ−マ帝国滅亡の原因の一つは、非文明へのあこがれであった。


ロ−マ帝国はなぜ滅亡したのか。その基本的な原因の一つは、ロ−マ人が単純な生活に憧れたためである、とウィリアム・キャロル・バークは述べた。ロ−マ人は「小規模独立自営農民の時代、黒パン、土器、そして単純な習慣しかなかった古代ロ−マ時代に憧れていた。そうすることによって、彼等は単純さを強さと誤解し、人は他者を必要とせずとも生きて行けるかのように考えていた。」1
http://www.millnm.net/cgi-bin/page.cgi?url=../qanda/theosimp.htm

悪魔は、シンプル・ライフを推奨する。

悪魔は、文明がもたらす高度な分業や相互依存を嫌う。

大昔にアルバイトで冷凍トラックの運転手をしたことがある。

夜中に寿司ネタをスーパーの配送センターなどに届ける仕事である。

このバイトは非常に興味深く、社会の仕組みを学ぶよい機会であった。

真夜中に翌日それぞれの店舗に配られる寿司ネタをセンターに届ける。センターでは、多くの人々が夜を徹して分別作業を行っている。

こうしてファミレスや寿司チェーン店などに新鮮なネタが届く。

「日本の流通システムはすごい」と驚いた。

アメリカで生活するある日本人によると、アメリカのスーパーなどでは日本ほど新鮮な野菜は手に入らないという。

日本の分業システムがこれだけ精緻に動いているからこそ、われわれは毎日新鮮なものを食べられる。

もし戦争などで国土が荒廃すると、このような恩恵にはあずかれない。

社会はできるだけ高度に分業化されるべきである。

日本人の勤勉さと、仕事の正確さ、努力がこのような高度な分業を可能にしている。

2.

プレ・ミレの神学で、このような文明建設が可能だろうか。

「イエス・キリストが再臨すれば、理想の世界が到来する」?

どうやって?

何を基準に?

突然、このような社会の分業ができあがるか?

違う!

文明は、徐々に築き上げられる。

その基盤は教育であり、社会規範であり、個人の倫理観である。

教育も法律も倫理観もない社会に突然高度な分業システムができあがることなどあり得ない。

地道な努力の積み重ねを尊ぶ文化がなければ、今の日本は存在しなかった。

ポスト・ミレだけが、このような文明建設と調和する。

世界は徐々にキリストの勝利の実体化に向かっている。

紀元70年にキリストが世界の王となり、今の世界はキリストの支配下にある。

だから、世界は善の方向に進んでいる。

もっとも効率のよい、高度に分業化され、高度に相互依存する世界に向かっている。

分業化や相互依存は戦争の抑止力になる。

中国が日米と戦争を始めれば、日本や米国だけではなく、自国の産業も破壊する。

なぜならば、各国は相互に緊密につながっているからである。

戦争は、自殺行為である。

帝国主義的な野心に基づく拡張主義は、時代遅れである。

3.

コンピュータは、統一への道具ではなく、分散化のそれである。

「イルミナティは、コンピュータによって世界を支配する」のではなく、逆に「世界支配から追い出される」のである。

情報が分散化され、これまで秘密にされてきた事実が瞬時に暴露され、拡散される。

少数の人々が世界を統率するなど不可能である。

陰謀はインターネットによって機能不全に陥っている。

人々は、操作された情報を捨てて、真実を選択する。

4.

これからはコンピュータと通信システムでつながった自動化システムによって、分業化がさらに進むだろう。

プレ・ミレが描く「世界最終戦争」など起きるはずがない。

インターネットがない時代ならば、舛添が辞任することもなかっただろう。

ツイッターやフェイスブックを通じて情報が瞬時に拡散され、反対運動が起きるので、外国による日本政治の支配などつぶされるだろう。

時代はポスト・ミレ神学を選択するだろう。

 

 

2016年7月10日



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