国家転覆の諸段階3 by 元KGB工作員ユーリー・ベズメノフ
第4段階:「正常化」 (無期限)
国家指導者や軍や公安のトップの排除(または処刑)。ショックの中にある人々は「レジスタンス組織」を作る。しかし遅すぎる。新政府は、そのレジスタンスを「帝国主義社の陰謀」(CIA)であると宣伝し、ソ連(キューバ)に対して支援を「要請する」。間もなく戦車と飛行機が到着する。その後、外国特派員と外交官が「スパイ」として排除(または処刑)され、あらゆるマスメディアに対する「革命勢力による」検閲が開始される。政治的な敵対者が大量に排除される。「人民の敵ども」のために収容所が急ピッチで建設される。国民のあらゆる生活が組織化され、生活必需品の欠乏が起き、大規模テロが発生する。通常、ここでそれまで循環的に発生していた様々な事件が終息し、「解放された」国は無期限に共産主義勢力の衛星国になる。これでも最も苦痛の少ない過程である。次の2つは、極めて悲劇的な過程である。
1. 国際的な(多国籍の)軍事衝突(インドシナ) 、または
2. 内戦および国民に対する大規模テロ
このいずれの場合においても、「解放された」国ではこの時までに次のことが起きている。すなわち、国内は完全に無防備にされており(警察や公安はすでに破壊されている)、個人は守りを失い(銃器は没収されており、何年もの間、国民を守るための政策は停止されている。「革命家たち」の集団には絶対的な自由が与えられており、彼らが望むところは何であっても、革命の名のもとに制限なく行うことができる)、対外的にも無防備にされ(軍隊は武装解除されSALT協定のもとで無力化されている)、友好国はいなくなっている(同盟国に裏切られ、アメリカ合衆国も濫用され、国際連合はすでに「解放された」国々によって占められている)。
かくして、世界の中で助けの手を差し伸べてくれる国はなく、あなたの国の「正常化」を阻止してくれるものは誰もいない。これは序の口であり、世界の残りのすべての民主的な(または、独裁的な非侵略)国において同じことが起きる。政府やメディアは、長い間「社会主義」および「デタント」の夢物語を伝えてきたので、人々は、国内の「人民の」権力を確立しても悲劇的な事態は起きないだろうと考えている。・・・
転覆工作は完了し、成功する。それ以降、工作員に汚染された体制は安定化に向かい、成長し、最終的には、正常かつ健康的な国は破壊される。バラバラにされた個々人は、貪欲な政府の餌食になる。
2016年7月28日
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