やみはこれに打ち勝たなかった
初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。
この方は、初めに神とともにおられた。(1)
すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。(2)
この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。
光はやみの中に輝いている。(3)やみはこれに打ち勝たなかった。(4)
(ヨハネ1・1-5)
(1)「初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。」
キリストは、はじめから存在しておられた。
キリストは神とともにいた神。
つまり、キリストは永遠の存在であり、「父なる神から生まれた神」ではない。
キリストが存在しなかった時代はまったくなかった。
ではなぜ聖書に、キリストが父なる神から生まれたかのような記述があるのか。
キリストは「み父」と呼んで祈っているがなぜか。
これは「契約的な親子関係」なのである。
つまり、人間の父子のような「存在論的な」父子関係ではなく「法的な」関係なのである。
養子になった子は、父から存在論的に産まれたわけではない。
しかし、法的にはその父の子である。
三位の神の互いの関係は「存在論的な主従・父子関係」ではなく「契約的なそれ」である。
会社において社長の命と社員の命は平等である。
しかし、組織的・社会的に上下関係がある。
この「一と多」の関係の根源は、三位一神における「一と多」である。
神が三位おられるが「法的に一人」であることが、被造物における「一と多」の基本である。
だから、被造物の社会においても一も多もどちらも究極に尊い。
「統一が究極であって、多様性はそれに至る暫定的な状態」であるとか「多様性が究極であって、統一はそれに至る暫定的な状態」であるとか言う人は、聖書の原理を理解していない。
世界統一宗教とか世界統一政府などは、間違った理想である。
民族や人種は、混ざり合って一つとなる必要はない。
それぞれが国を作り、自主自立すればよい。
家族制度を廃止してはならない。それぞれの家は独立すべきである。
独立した個人、独立した集団が、互いに契約を結んで「法的に一致する」状態が正しい。
(2)「すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。」
キリストは、万物の創造者である。
被造物の中で一つでもキリストの手によらないでできたものはない。
キリストは素粒子の一つ一つを創造された。
それゆえ、キリストは万物の主権者である。
(3)「この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。
光はやみの中に輝いている。」
学生時代、どの授業に出ても、語学を除いて、むなしさしか感じなかった。
所詮人間が考えた学問である。「いのち」を感じられなかった。
だから大学院に進んで研究者になる気はなかった。
私にとって神学だけは特別であった。
そこには「いのち」があり、この世でもっとも貴重なもの、実質的なもの、興味をそそるものがあると悟った。
神の啓示である聖書だけが「この世界を解釈するための確実な土台」である。
その聖書を研究すること以外に、私の気持ちは惹かれなかった。
クリスチャンは生まれ変わって「いのち」を与えられているので、この世のものが「無味乾燥なもの」「興味をそそらないもの」に見える。
われわれは、キリストのいのちという実体・実質・本体を知ってしまったので、この世が提供するものが「付随的なもの」「実質的ではないもの」「実体のないもの」に見える。
それゆえ、興味がない。世の人たちがスポーツや演劇、映画、音楽、グルメ、アイドル、政治、ビジネス・・・などに熱中しているのが理解できない。
「むなしくないのか」と感じてしまう。
「光はやみの中に輝いている」。なぜその光を求めようとしないのか、と思う。
(4)「やみはこれに打ち勝たなかった。」
闇が支配している部屋の中に、光が点ると、闇は追いやられる。
闇は、光の存在に勝てない。
キリストという光が現れたら、闇は追いやられる以外にはない。
闇が支配を続けるには、光を消す以外にはない。
しかし、キリストは死に打ち勝って、復活されたので、消すことはできない。
サタンはキリストを消そうと試みたが、消せなかった。
つまり、光は永遠に存在する。
部屋の中をいつまでも暗闇のままにしておきたかったのに、光が登場し、永遠に居続けることになったので、暗闇は消える運命なのである。
もしこの世界のどこかに闇があるならば、あなたがキリストを伝えるときに、その闇は必ず消える。
部屋の隅々を明るくするには、キリストをますます大きな声で伝えることである。
キリストが伝えられるときに、この世からサタンは追い出される。
もしこの世の勢力が強すぎると感じ、希望を失いかけたら「それでも私は信じます」と言おう。
すぐに神はあなたに力を与え、消えかかった灯心に油を補充してくださるだろう。
2019年5月26日
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