あまりにも突っ込みどころ満載すぎてどうしようもないです



【4月27日配信】じっくり学ぼう!世界近代史 第11回「16世紀の世界 宗教改革という狂気」桜林美佐 倉山満【チャンネルくらら】
https://youtu.be/N4etVvaknxA

1.「宗教改革」が「まだまだ中世を続けたいんだ」という人々???―中世の原理と宗教改革の原理はまったく違います。宗教改革は、中世がスコラ主義というヘレニズム(ギリシア主義)にあまりにも偏り過ぎ、聖書から離れてしまったため、ヘブライズム(聖書主義)に戻す運動だった。中世と宗教改革が対立関係にあるというのは、いわば常識の領域に属することで議論の余地はない。

2.「世界中の秘密結社は、バチカンのヒエラルキーがモデルだ」というのは正しいが、宗教改革はまったく別。聖書以外に権威を持たない運動で、人間の組織の権威化を排除しようとした。だから、プロテスタントの教会には統一した権威は存在せず、各個の教会が独立している。「実は同じものなんです」―全然違います。

3.「カルヴァンのジュネーブでは、家で音楽を聞いたら死刑」―初耳です。そんなこと、どの文献でも読んだことがありません。あったら教えてください。ジャン・カルヴァンを批判するページですらそんな極端な事例を示していない。

4.「聖書以外の本がある」ことが処罰の対象になった。―これも初耳です。

5.「ルターが免罪符に反対したのは、予定論を信じていたからだ。」―これも初耳。

ルターの免罪符反対の論拠は「人は免罪符など『行ない』によって救われるのではなく、『信仰』によってのみ救われる」ということ。

以下、95箇条から。

(第1条) 我らの主なるイエス=キリストは言う、悔い改めよ、天国は近づいた(マタイ伝4章17節)! 彼は、信者の全生涯が悔い改めであるべきことを望んだのである。・・・・
(第36条) 真に悔い改めているならば、キリスト信者は、完全に罪と罰から救われており、それは贖宥状なしに彼に与えられる。
(第37条) 真のキリスト信者は、生けるにせよ死せるにせよ、キリストと教会とに属する一切の善きことを分け与えられるのであって、神はこれをも贖宥状なしに彼に与えている。・・・・

5.「ルターは、封建領主に逆らう者は絞め殺せと言った」―これは、少し歴史的文脈を無視した乱暴な説明です。もともと、ルターの主張は封建的な支配に苦しんでいた農民を解放するものでしたが、ルターの影響を受けたトマス=ミュンツァーの指導する農民一揆が1524年にドイツ農民戦争に発展。ミュンツァーは領主や教会を襲撃し、あまりにも過激な行動に出たため、それを行き過ぎと批判したのです。私が知る限りでは、どのような封建領主に対しても隷属せよ、とか、どの農民をも殺せなどという教えではないはずです。 私はルター主義者ではないので、ルターを擁護するつもりはないが、ルターの一言二言を持ち出して全体を見ずに彼を評価することはできないと考えます。

6.「すべては神の予定によってプログラミングされていると最初言っていたが、後に封建領主に逆らう者は絞め殺せと立場を変えた。」―これは、予定論をまったく理解していないことから来る誤解です。予定論というのは、「どのような事柄もあらかじめ神が予定され、計画されているが、それは人間にはわからない。だから、できる限り神を愛し、神のために働くべきだ」というものであって、「予定なんだから、努力は無駄だ」という結論は出ない。

7.「カルヴァンはこのルターの変節に対して『お前、日和ったな』と批判した。」―カルヴァンの主張の曲解です。そんなことどこにおいても言っていない。もしあるなら、論拠を見せてください。

8.「プロテスタントの教えのほうが先にできていて、カトリックがあとにできた。」―これはたしかにそうです。プロテスタントの教えは、基準は聖書だから。

9.「カトリックは、民衆が聖書を読めなかったから教義がプロテスタントよりも後にできた。」―これは、間違い。カトリックの教義を作った人々は神学者で聖書を読むことができた。カトリックが「儀式や組織による義認」という聖書が明確に否定している教えを作り出したのは、ユダヤ教の侵入による。 ユダヤ教は、基本的に「割礼による救い」つまり、行為によって人間は救われると教えます(これを行為義認という)。 それに対して、パウロは「割礼を受けているかどうかは重要ではなく、大切なのは、イエス・キリストへの信仰による新しい創造である」と述べた。 そして、この行為義認を信じるユダヤ教が、ローマ・カトリックに侵入した。ユダヤ教は割礼をはじめとする旧約聖書の儀式を「救いを得るための手段」と見る。その思想がローマ・カトリックに入ったため、ローマ・カトリックも同じように、ミサや免罪符などの「行為による救い」を唱えるようになった。

10.イエズス会は、イグナチウス・デ・ロヨラというグノーシス主義のユダヤ人が作ったので、キリスト教ではありません。彼は、アランブラドス(英語で「イルミナティ」)というグノーシスの秘密結社のリーダーで、彼の親はマラノ(つまり、キリスト教に改宗したユダヤ人)でした。 自身もユダヤ人であったイギリスの首相ディズレーリは、「初期のイエズス会士たちは、ユダヤ人であった」と述べました。ロヨラの秘書ポランコもユダヤ人で、ロヨラの死に立ち会った唯一の人物でした。 「ロヨラはオカルト・カバラを信じる隠れユダヤ人であった。隠れユダヤ人(crypto-Jew)とは、他の宗教に改宗した後も、ユダヤ教の儀式を継続するユダヤ人のことを意味する。イグナチウス・ロヨラの後継者ジェームズ・ライネズもユダヤ人であった。」(Edward Hendrie, Solving the Mystery of BABYLON THE GREAT, p.48.) イエズス会は、偽装キリスト教であり、実体は、タルムードユダヤ教でした。 このほかにも、無数に間違いがあって、扱いきれません。

 

 

2017年2月19日



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