「作り出された需要」という麻薬に慣れた現代人



一見、連邦準備銀行を廃止し、金本位制に戻せ、と言うと、風変わりな意見のように見える。

しかし、テキサス州選出下院議員ロン・ポールは、アメリカの中央銀行を廃止し、民間銀行制度に戻るための計画を指し示している。

この2つの施策は、いずれも重大で、実現性があるよう見える。

問題点は、ポールが予測した数々の結果である。

すなわち、ポールは、連邦準備制度を廃止すると、インフレが起きない(政府は、手持ちのゴールドよりも多くのお金を印刷できないので)だけではなく、好景気と不況、戦争、所得の不均衡、貿易不均衡及び政府の拡大も起きないという。

さらに、おそらく最も重要なことだが、連邦準備制度の廃止により、「社会政策の実施に途方もない影響を及ぼす強力な資金運用者から成る秘密のカルテルは力を失う」と述べる。

ポールは、民間銀行制度と金本位制が法律で規定されていた1907年に起きた恐慌の時期を軽く扱っている。

「19世紀のアメリカの銀行制度の悪評は、主に連邦準備制度の設立を促すための扇動プロパガンダの結果である」と。

「秘密のカルテル」について、ポールは「実際、J・P・モーガンはベン・バーナンキより望ましいかどうか」という興味深い質問をしている。

この扇動的な政治家が示す、金融恐慌に対する大きな政府という解決法に関する興味深い考えや、米国経済に対する博識かつ独断的な見解について、多くの人が思索を開始すべきである。
http://www.amazon.com/End-Fed-Ron-Paul/dp/B005DI8UI8

不換紙幣を刷れるようになってから、政府の政策は、麻薬化した。

好景気をつくり出すために、偽札を刷るようになった。

実体のない偽札が増えるから、インフレが起きて、拡大しすぎたバブル経済が突然バーストする。

実体のない快楽である麻薬を打って自分を鼓舞する方法が、いずれは自らを滅ぼすのと同じである。

人間は、神が割り当てられた分で生活しなければならない。

インフレになりやすい時期は、戦争である。

戦費を調達するために金を刷る。

兵器生産を受注した企業はもうかり、それが周辺の経済を刺激する。

一番いいのは、近隣諸国で戦争が起きることである。

自分は傷つかずに金儲けができる。

だから、悪者は、戦争への準備をするために近隣諸国に戦争の種をばらまく。

中国や韓国が日本を刺激しているのは、背後に戦争で金儲けをしようとしている奴らがいるからである。

中央銀行を設立した近代国家の住民は、「作り出された需要」という麻薬に慣れてしまった。

「持っている分で生活すること」では満足できない体質になった。

世界の体制をつくりかえるには、麻薬による快楽体験からきっぱり足を洗う必要があるが、並大抵のことでは実現しないだろう。

 

 

2015年7月17日



ツイート

 

 ホーム

 



robcorp@millnm.net