シカゴプランについて


シカゴプランについて簡単で説明すると、以下の通りになります。

・現在の通制度では信用創造により金融機関が通を無から創造できるため、実質上通供給量は中央銀行ではなく大手銀行などの金融機関が管理している(英国では流通している英ポンドのうち97%以上が、日本では82.5%が金融機関による信用創造により発行)。
・金融機関はあくまでも営利活動として通発行=融資を行うため、好景気時には通発行が過剰に行われてバブルやインフレを生む一方、景気が後退すると貸し渋りや貸し剥がしを行い、恐慌やデフレを引き起こす。
・また、通が銀行融資=債務として発行されている以上、常に通流通量以上の債務が政府債務あるいは民間債務として社会に存在しており、椅子取りゲームよろしく必然的に誰かが椅子に座れなくなる=破産に追い込まれる構造がある。
・このため、銀行が現在行っている信用創造を禁止し、あくまでも中央銀行自体が、あるいは中央政府の通管理局が通発行権を回復するようにすることで、政府への無利子融資を実現したり、金融機関による通流通量の不適切な管理を是正したりできる。
・米国では憲法により、議会に通発行権が認められている。日本でも法律により、政府通の発行が可能で、実際500円玉以下のコインとして流通している。なので、政府通の発行は現行法の枠組みでも可能(そうでなければ法律を改正すればいいだけ)。
https://www.facebook.com/ChicagoPlanforJapan/posts/457213631096775

山口薫元同志社大学院教授によれば、日銀が発行するお金は、17.5%だけで、82.5%が金融機関による信用創造によって発行されている。

つまり、日本の通の総量を管理しているのは、民間銀行なのである。

デフレによって企業や個人が投資を渋っている現在、民間銀行からの借り入れ額も減っており、そのため、信用創造の規模が縮小している。

したがって、デフレがデフレを産んでいる現状である。

それゆえ、デフレ脱却のためには、企業や個人がお金を借りるように政府が公共投資を実行し、仕事を増やすべきなのだが、問題が残る。

それは「たとえ民間銀行がお金を発行しても、景気が後退すると、銀行の貸し渋り、貸し剥がしが起こり、企業や個人にしわ寄せがくる」ということである。

本来、銀行が貸したお金は、無から創造されたものであり、貸し渋りや貸し剥がしをする権利はないはずである。

なぜならば、その貸したお金は銀行が稼いだお金ではなく、いわば「葉っぱに銀行の判子を押したもの」のようなものだから。

しかし、現体制では、銀行には「貸し出し金利を確保する」権利があり、そのために融資を制限したり、貸した金を回収することが合法的に行われている。

つまり、この体制のもとでは、銀行は神のように振る舞っている。銀行が持っている権利とは:

1.無からお金を作る。

2.その無から作られたお金に金利を乗せることができる。

3.そのお金の貸し出しを自由に制限したり、お金を回収できる。

この権利によって、企業や個人は振り回され、倒産させられたり、破産させられたりしている。

国民が選んだ政府の手の届かないところで、私企業である銀行が、国民の生殺与奪の権利を持っている今の体制はおかしい。

そこで、山口薫氏が紹介するシカゴプランでは、通発行権を民間銀行から政府に戻すことが提唱されている。

私もこれに賛成である。

 

 

2018年4月16日



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