アメリカの公教育の目的
すでに紹介したとおり、「アメリカの学力の計画的な低下」という著書によって有名になったシャーロット・トムソン・イザービットは、ロナルド・レーガン政権の第1期において教育省の上級顧問を務めていた。
この本の中で彼女は、アメリカの公教育制度に徐々に導入されつつあった方法が、子供を両親の影響から引き離し、未来において実現する社会主義的な世界におけるプロレタリアートのメンバーに作り替えることを目的にしていると述べた。
さらに、これらの変化がアンドリュー・カーネギー財団とロックフェラー総合教育委員会が主に策定した計画に基づくものであることとを示し、その目的のために利用されている心理学的な手法についても詳しく解説した。
教育省での仕事を通じて、この社会主義的なアメリカの教育の源が、レーガンの副大統領であったジョージ・ブッシュとその政策アドバイザーたちにあるということに気づいた。
1960年までレーガンは「統一世界連邦主義者」と言う団体の指導的なメンバーであった。
この団体の目的はアメリカを世界政府に融合させることにあった。
さらにレーガンは共産主義者の影響下にあった「アメリカ退役軍人委員会」の「アメリカ諮問評議会」のメンバーでもあった。
彼女が批判する書物のひとつに、『グローバルな時代のための学校教育』(edited by Charlotte C. Anderson, James M. Becker, Institute for Development of Educational Activities, New York 1979)があるが、そこには学習を進めるというよりもむしろ主に、生徒たちを心理的に操作するための方法が記されている。
両親および一般大衆にも教育が必要である。というのも、グローバル志向の教育計画に参加する子供たちや若者が、家庭で教える込まれた価値観との矛盾に気づき、その結果、教育機関が頻繁に調査の対象となり、退歩を余儀なくされることになるからである。(ジョン・I・ グッドラッド『グローバルな時代のための学校教育』1979年)
2015年11月30日
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