日本経済衰退論は無意味
日本経済衰退論は、無意味。なぜならば、日本経済衰退の現象は、供給能力の低下によって引き起こされているよりも、需要不足によって引き起こされているから。
需要不足はなぜ生じているかというと、その主な原因はデフレ。つまり、流通しているおカネの総量が不足している。
もし日本人が働く意欲を失ったり、技術面で海外諸国に遅れを取っているならば、これは、供給能力の低下であるから、本当の問題。日本経済衰退には理由がある、ということになる。
しかし、問題は供給能力にはない。少子化は、生産体制の合理化や機械化による生産能力の向上によってカバーできる。
問題は需要不足である。昇給が止まり、所得が増えず、そのために商品やサービスを購入することができなくなっていることが原因。
この所得低下の一番の原因は、流通する円貨の慢性的不足にある。
つまり、人体でたとえれば、血が足りないのである。
臓器自体の機能不全に問題があるのではなく、血液の量に問題がある。
いくら臓器が健全で、所定の働きをする力があっても、血液が流れてこなければ、機能不全を起こす。
日本経済は、おカネを行き渡らせて、購買意欲を刺激すれば一気に解決する。
血液量の不足を起こしている原因は、日銀による時期尚早の金利引き上げにあった。
黒田総裁以前、景気が持ち直すとすぐに金利引き上げをしたので、景気の腰折れが起きていた。
安倍政権によってこの問題は、異次元の金融緩和によって解消しつつある。
しかし、信用創造の85パーセントを担う民間銀行が融資を行わず、国債購入で利益を確保しようとしてきたため、おカネの総量は増えなかった。
民間銀行を刺激するには、政府が積極的に仕事を作って、民間企業が銀行から融資を受けるように仕向けなければならなかった。
しかし、この「第2の矢」政策は実行に移されていない。
日本には積極財政を妨害する勢力が存在する。彼らがPB黒字化なるトンデモ政策を主張し、安倍政権を妨害してきた。
デフレが謀略によって人為的に引き起こされているないことを理解しない限り、日本経済衰退論は生き残り、このままずるずると日本の国力は本当に低下する。
2019年4月5日
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