権威に対する攻撃と軽視
人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威はすべて、神によって立てられたものです。
したがって、権威に逆らっている人は、神の定めにそむいているのです。そむいた人は自分の身にさばきを招きます。
支配者を恐ろしいと思うのは、良い行ないをするときではなく、悪を行なうときです。権威を恐れたくないと思うなら、善を行ないなさい。そうすれば、支配者からほめられます。(ローマ13・1-3)
”神に任命された権威が否定されると、全体主義と無政府主義が支配するようになる。というのも、万人は自らを神とみなし、そのため万人が無法者になるからである。強者は偽りの権威を振りかざし、弱者はさらなる無法の行為に走ることによってそれに対抗する。”
―R・J・ラッシュドゥーニー
1．
神は、この世界を「ご自身が任命された人々を通じて」支配される。
すべて立てられている権威は、神からのものである。
世界とは、神に立てられた人々が柱となって支える家のようなものである。
それぞれの場所において、神は、人々を権威として任命し、その組織や秩序を支え、動かし給う。
だから、権威に反逆する人々は、神の世界の破壊者である。
自分がある組織に不満を持ち、そこを出ることを決めるならば、その組織を支えている権威を重んじるべきである。
立つ鳥跡を濁さず。
もし牧師や長老に不満があるならば、他の牧師や長老に訴えるべきである。
長老会なり理事会なり、その組織において権威を与えられている組織を通じて不満を訴えるべきである。
それを通じて訴えても効き目がなければ、穏便に出るしかない。
神の裁きに委ねるしかない。
革命は避けるべきだ。
残るにしても、出るにしても、神がお立てになった権威を敬うべきだ。
もし神の世界を支える柱が腐っているとわかれば、神はそれを別のものに代えられるだろう。
われわれが自分でそれらをすげ替えることはできない。
革命は、神の直接の命令でもない限り、絶対にやってはならないことである。
神を恐れていたダビデは、いかにチャンスがあっても、サウルに手をかけることはなかった。
王ダビデを口汚く罵ったシムイは、自ら軟禁の命令を破ったことにより、ソロモンによって処刑された。
預言者エリシャを嘲った子供たちは、熊に襲われて死んだ。
2．
教会で牧師補をしていた頃、毎月呼ばれていた家庭集会でメッセージ後、メッセージの内容について真っ向から反対する夫人がいた。
教会では夫人は質問すらしてはならない、帰宅してから夫に尋ねよ、とあるのに、教職者に対して真っ向から文句を言う。
もし何かを学びたければ、家で自分の夫に尋ねなさい。教会で語ることは、妻にとってはふさわしくないことです。(1コリント14・35)
まあ、あれは家庭集会であり、教会ではないので、質問は許されるかもしれないが、面と向かって文句を言うのは非聖書的である。
もし権威として認めたくないのであれば、教会を止めればいい。
教会に会員として参加し、しかも、文句を言ってよいなら、教会という組織が成立しない。
私を牧師として招聘した集会では「先生、そういう風に聖書を読んではならないんですね」と説教した夫人がいた。
「じゃあ、あなたが神学校に行って、牧師の資格を取って自分でやってください」としか言えない。
教えに関して対立があれば、分裂しかない。
自分で教会を始める覚悟があるのか。なければ、招聘した牧師の教えを受け入れるしかない。
3．
造反運動をやった戦後世代には、こういうタイプの人が多い。
権威に反抗することがあたかも美徳であるかのように考えている世代である。
その世代の子供たちを予備校で教えた。
教師に対して非常に傲慢である。
わざわざ授業が終わるころにやってきてプリントを要求した。
講師室に入ってきて大声で「○○先生の授業はここが悪い」みたいなことを面前で話す。
テレビで有名な東進の林氏の授業のあとに、親が「先生はここが弱い」みたいなことを堂々と面とむかって言っていたが、「ああ、こういう親からあのような子供たちが生まれるのか」と思った。
こういう人々には「じゃあ、別の先生から習ってください」と言うようにしている。
先日、離婚問題の相談に乗ってほしいというので、喫茶店で会った人は、ウェブサイトのプリントを出してきて「あなたについてこういうことが書かれているのだが、あなたという人物を相談相手として信用してよいものかどうか」と言ってきたので、その場で席を立って出てきた。
私は、無礼な人にまでサービスを提供するほど人は好くない。
この人は60年安保世代である。
戦後教育のろくでもなさが実を結びつつある。
2017年11月23日
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