西洋近代主義は皆殺し、根絶やしの文化?2
保守運動は、とかく自分たちの頭を互いに撫であうものになりがちだ。
経済学者だったら西洋近代の学説をたくさん知っているはずだ。
そして、それがどれだけレベルの高いものかも。
どうしてそういった学識の積み上げが自分の思想形成に役に立たないのだろうか。
勉強したものが大きな「西洋近代は…」「白人は…」「キリスト教は…」という枠組みの中にほうりこまれて、歴史的に異常値でしかない極端な出来事をあげて、「だから西洋近代(白人は、キリスト教は)はダメだ」というような結論にいたるのか。
日本や日本文化を肯定する段になると、突然それらの知識は忘れ去られてしまう。
自分が勉強してきた西洋のすぐれた学説や知識が全部「だから西洋は」の一言で封印されてしまう。
私は、保守の運動が成功するためには、西洋のどこがよくてどこが間違っていたのかを詳細に検討すべきだと思う。
「白人はインディアンを虐殺し、根絶やしにした。」
たしかにそうかもしれない。
しかし、「だから、白人は根絶やしにする人種だ」と結論できるか?
イギリス人はインド人を根絶やしにしたか?
フランス人はベトナム人を根絶やしにしたか?
植民地が搾取のためであったと言うのは事実だろう。
しかし、同時に西洋人、白人は、立憲政治、民主政治、三権分立、科学文明、人権思想などを世界に輸出し、世界から奴隷制度を駆逐した。
「日本が解放する前、白人は世界でやりたい放題をし、苦しめていた」というのも一部あるかもしれないが、すべてではない。
もしすべてであるなら、なぜ明治政府は西洋から教師を招いて、西洋の政治や様々な制度を輸入し、技術や文化を輸入したのか。
「それは、もっぱら侵略されないためだ」と?
本当?
侵略されないためだけではないでしょう。
日本人は、西洋文明の優秀性を悟ったのだ。
だから、輸入した。
無理やりではなく、理に適っているから輸入した。
日本の保守は、英語を勉強して、たくさん英語の本を読むようにしてほしい。
そして、世界のレベルがいかに高いかを実感してほしい。
そうではなく、今の現象だけを見て、西洋や白人やキリスト教を馬鹿にし、視野を狭窄にしても、自分を馬鹿にするだけだ。
日本人は優秀だが、調子にのって傲慢になると西洋やキリスト教を馬鹿にするようになるから注意が必要だ。
2013年1月12日
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