出口王仁三郎の世界情勢分析
大本教出口王仁三郎はメイソンと対決した。そのために大弾圧を受ける。
彼の世界情勢の分析は優れていた。
以下、神聖運動(王仁三郎が開始した反メイソン運動)を要約することとする。
1.フリーメイソンは、皇国の政治を政争に巻き込み皇国の主権を破壊する。
「ユダヤの世界征服運動であるフリーメイソンと称する秘密結社では次のようなことを政治について申しています」と切り出して、メイソンが各国に無意味な政変を引き起こして世界統一運動を推進していることを述べた後、メイソンは、日本に対して「言論機関と政党とを通じて民衆及び労働者の代表権を拡張し、以て主権を崩さんとする事」を画策していると警告している。
そして、「近時問題の天皇機関説などはその大なるものの一つであります。又彼等は政権を目的物として、政党をして之が争奪に没頭せしめ、国利民福を度外視し、国家を混乱紛糾に陥れ、遂に之を崩壊せしめんと計っているのであります」と述べている。
(伊達宗哲『王仁三郎と日月神示のひな型神劇』5次元文庫、p218)
1.フリーメイソンは、帝王国、宗教(信仰)、軍隊を破壊し帝政を崩壊させる。
フリーメイソンの三大攻撃目標は、彼等の世界征略を妨げる帝王国、宗教(信仰)、軍隊であり、彼らはあらゆる手段を尽くしてこれを破壊し、フランス・ロシア・ドイツ・ハンガリー等の帝政を崩壊させたと述べて、次のようにメイソンの謀略を警告している。
「帝王国を倒して民主国とすれば、彼等の持つ黄金の力と、教育、印刷の力とを利用して、輿論をあふり立て、買収を盛んに行ひ、自分の好きな代議士と大統領とを選挙する事が出来、結局自分達の思ふ存分の政治を行ひ、其の国を自由にし、やがて全世界を統一する事が出来るからです」(同上、p219)
1.日本の非常時大国難の真相は、欧米列強よりもフリーメイソンの魔の手である。
「現在日本に在住しているユダヤ人は一千名に過ぎませんが、政界、学会、財界、或は思想界、映画界の有力者が多く、その後ろには全世界のユダヤ人が控へているのです。
加ふるに彼等の近県に糸を引く財閥があり、彼等の政治、民政ないし議会中心主義、天皇機関説を謳歌する学閥があり政党があり大官があり、又ダーウィンやマルクスの熱心なお弟子である赤い大学教授があり、赤や桃色の学生があります。のみならず彼等フリーメイソンの忠実なる犬となり馬となって、命がけで国体破壊に活躍する共産主義者があり、彼等の金力に操られ易い大小の新聞があるのであります。
斯く観じ来たれば日本の非常時大国難は、米国よりも、ロシアよりも、英吉利よりもフリーメイソンの魔の手にあると覚るべきであります」(同上、p220)
1.フリーメイソンは、アメリカを拠点として3S政策により日本を内側から崩そうとしている。
「フリーメイソンが日本を倒さんとして現在最も力を注ぎつつあるものがスポーツ、セックス、スクリーンの3S政策であります」と述べて各論を展開した後、「右の3S政策は主としてアメリカより流れ込んで、軍艦よりも爆弾よりも毒瓦斯よりも更に恐るべき猛威を逞うし、日本民族伝来の宝玉日本魂を去勢してアメリカ否フリーメイソンの奴隷となし捕虜となし、大日本皇国を一歩一歩占領しつつあるのであります。我等は断乎としてこの肺病の如く癩病の如く梅毒の如き陰険悪辣執拗極まりなきフリーメイソンの3S政策なる亡国病を排撃すべく一斉に奮起し、之が根絶を期せねばならないのであります」
こうした神聖運動の反メイソンプロパガンダ(一種の宗教戦争)の対極として主張されているのが、現人神天皇制の堅持と神国思想の鼓舞、そして、ユダヤの世界戦略に対抗する皇軍の大使命のプロパガンダである。
ここで展開された神聖運動の一つの流れは、「神国日本VS欧米ユダヤ・フリーメイソン」の図式であった。
神聖運動の反ユダヤ・反フリーメイソン主義は、大日本帝国と欧米諸国との軍事的対立を煽り、大日本帝国を崩壊へ引きずり込む経綸上の指針でもあった。(同上、p220-221)
2011年5月31日
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