福音派に住み着くギリシャ霊肉二元論


> 再建主義の支援者が増え拡がるように祈ります。
> HPで様々な分野の方々が支援・活動されている事を聞き希望が持てます。
>
> さて、陰謀論の分野で有名な牧師のニュースレターで最近の記事ですが、「黙示録がやっ
> てきた。」と書かれており、やはり、彼もプレミレ・終末論だったのです。
> 厄介に歴史が浅いにも関わらずダニのようにガッチリと喰らいついて、思考に柔軟性がな
> いとポストミレへの転向は困難に思えますが、最終的に祈りによるしかないと感じます。
・・・
> 文中「それにはまだ長いプロセスを通らなければならないのです。それまでに私たちが経
> 験しなければならないことは物質次元から霊的次元への移行です。今後、私たちは多くの
> 物質を失うでしょう。それは霊的に成長するために必要なのです。」
> この中特に「経験しなければならないことは物質次元から霊的次元への移行。」と、フォ
> トンベルト等々とかオカルト・ニューエイジ関係者が主張することと似てます。
> 元々ディスペンとか神学と聖書の改ざんはサタニストによるもので、似てきて当然かもし
> れませんが気にし過ぎでしょうか。

(1)
「黙示録がやってきた」というのは、「未来派」の考えでしょう。ディスペンセーション主義の影響でしょうね。「過去派(プレテリズム)」では、黙示録のほとんどは過去にすでに起きたと考えます。

プレテリズムは、アウグスチヌスからカルヴァン、そして、その後プロテスタントが20世紀初頭まで信じてきた正統的な解釈です。

黙示録がこれから起こるならば、「獣の数字666を数えなさい」はどう解釈するのでしょうか。黙示録は手紙であって、あて先が指定されています。つまり、紀元1世紀の小アジアの7つの教会のクリスチャンたちです。

彼らが数えてもムダな数字をどうしてヨハネは「数えよ」と言うでしょうか。このような解釈は、「聖書には直接の読者が読んで理解できない事柄は記されていない」という原則と違反しています。

聖書をノストラダムスの予言書のように読むのは、ペテロが禁止した「預言の私的解釈」です。

666はローマ帝国とネロを指しているのです。
http://www.path.ne.jp/~millnm/no42.html

(2)
「物質次元から霊的次元への移行」ってのは、いただけませんね。
物質は低くて、霊は高いというのは、ギリシャ二元論です。
ギリシャ二元論では、悪は物質にあり、霊は悪くないと考えるので、禁欲思想につながり、もしくは、逆の方向に向かうと快楽主義に走ります。
聖書では、どちらも神が創造されたものであると同時に、どちらも堕落したと教えられています。
だから、どちらも贖いを受ける対象であり、それゆえ、キリストは霊だけではなく、肉体を取る必要がありました。
復活は、霊だけではなく、「からだ」の復活でもありました。
ギリシャ思想の影響を受けると、仮現論(イエスの完全な人間化を否定するので、十字架の上で苦んだり死んだりすること(受難)はなく、肉体を棄てて神的存在に戻るだけであるとする)の異端に陥りやすくなります。
カルケドン会議において、キリストは神であると同時に人でもあるという教えが確立されました。
人間であること、そして、「からだ」を持つことが非常に重視されます。
私の以前奉職していた教会の主任牧師は、「旧約は物質的で、新約は霊的」とわけ、「旧約聖書において人が裁きによってばたばた死んだりしたのは、旧約時代が物質の時代だったから」といいました。
これは、今日の教会に広く信じられている異端の教えです。
今日の福音派を支配しているディスペンセーション主義は、ラクンザというユダヤ人イエズス会士が作ったもので、異端として教会を追放されたアーヴィングが広め、ダービーが継承し、イルミナティ(ヤコブ・シフ)の支援を受けたサイラス・スコフィールドが全世界の福音派に浸透させた教えです。
「律法」と「恵み」の時代を截然と分け、教会時代において「律法を基準とした行いに伴う賞罰」はないとします。
それゆえ、ギリシャ霊肉二元論と合わさって、「クリスチャンは行いに伴って物質的祝福や呪いを受けることはない」と考える傾向が強く、そういうものは「来るべき千年王国の時代」もしくは「永遠の世界」において現れるとします。
つまり、教会時代において物質は関係ないとする考えに傾きます。
聖書では、契約の区別は「業の契約」か「恵みの契約」の2つしかなく、アダムにおいて業の契約は終わり、その後すべての契約は恵みの契約であるとするため、新約時代においても物質的な祝福や呪いは、われわれの行為に伴って現れるとします。

「みからだをわきまえないで、飲み食いするならば、その飲み食いが自分をさばくことになります。 そのために、あなたがたの中に、弱い者や病人が多くなり、死んだ者が大ぜいいます。」(1コリント11・29-30)

福音派にはサタンの異端の影響が強いといえます。

 

 

2011年5月10日

 

 ホーム

ツイート

 





millnm@path.ne.jp