十字架のイエスはユダヤ人及び世界の王になられた


1.


わたしが地上から上げられるなら、わたしはすべての人を自分のところに引き寄せます。(ヨハネ12・32)

すでに述べたように、ここでイエスは、ご自身が十字架につくときに、全世界の王になると宣言された。

前後関係を見ると明らかである。

「・・・今がこの世のさばきです。今、この世を支配する者は追い出されるのです。
わたしが地上から上げられるなら、わたしはすべての人を自分のところに引き寄せます。」
イエスは自分がどのような死に方で死ぬかを示して、このことを言われたのである。(ヨハネ12・31-33)

つまり、

(1)今、サタンは裁かれ、世界の支配権を失う。

(2)地上から上げられるときに、イエスは万人を引き寄せる。

(3)これは死に方を暗示している。

この3点を総合すると、ここで言われているのは、

イエスが十字架にかかられるときに、世界の支配者であるサタンは追い出され、支配権を失う。万人はイエスの権威のもとに置かれる

ということである。

それゆえ、十字架の頭上に掲げられた「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」との罪状書きは、文字通り「王権の宣言」なのである。

磔刑にかけられたイエスの姿は、王のそれである。

あのときに、イエスはユダヤ人の王としてユダヤ人を集められた。

十字架刑は、肉的な目で見れば、もっとも卑しめられた状態である。

しかし、霊的な目で見れば、もっとも大きな栄光に包まれた状態である。

東方の博士が幼子イエスをメシアとして礼拝した。

このことからわかるように、聖書において、このユダヤ人の王は世界のメシアをも意味する。

つまり、十字架において、イエスはユダヤ人だけではなく、世界のすべての人々をも集め、世界の王になられた。

2.

ユダヤ人の王になるということは、南北朝統一イスラエル王国の回復を意味する。

イスラエルは、ダビデやソロモンの時代の統一王朝としての栄光を取り戻した。

ユダヤの地の人々だけではなく、世界に散っているディアスポラのユダヤ人たちをも含むイスラエル王国が再建された。

3.

十字架において、ユダヤと世界の王となったイエスには、あらゆる権威と権力が与えられた。

それまで世界を支配していたサタンは追い出された。

それゆえ、十字架以降の世界の歴史とは「王としてのイエスが、無力化したサタンを追い出す過程」である。

イエスは法的に、サタンを駆除する権限を持っておられる。

それゆえ、われわれ、イエスにつく者たちには、サタンを駆除する権威がある。

われわれが実際に持ち場においてサタンと戦うときに、サタンはわれわれの前から必ず逃げ去る。

ですから、神に従いなさい。そして、悪魔に立ち向かいなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げ去ります。(ヤコブ4・7)

4.

十字架にかかられたイエスは、ユダヤ人の王であり、世界の王でもある。

そのとき万人が身元に集められた。

イスラエルは回復し、世界の所有権はサタンからイエスに移動した。

十字架にかかったイエスを王と見ることができる人は、霊的な目を持っている人。

王と見れない人は、霊的な目がない人。

人間的に見ればもっとも弱い状態の人を王と認識できる人は、聖霊によって生まれ変わっている。

 

 

2016年10月20日



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